(連載)「インドネシアの生活風景」(29)

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(29)メダンお掃除クラブ 一周年記念 盛大に!
                      (Lily Fatma)

(※この記事は2015年11月に執筆していただいた原稿です:編集部注)

Lily29-04 早いもので昨年11月09日に結成したメダンお掃除クラブまる一年立ちました。やっと歩き出した赤ちゃんと同じですが、私たちにとっては一年も継続したということは正直いって驚いています。

 記念すべき日なのでボランティアのみんなと相談して、当日の活動にはお掃除はもちろん、踊りや歌ができる高校生や大学生たちにパフォーマンスしてもらうことになりました。会長の角田さんはお好み焼きの材料を持って、そこでみんなと作り、私は焼きそばや果物を持って来ることにしました。

 ささやかでも、若い人たちが喜んでくれたらそれで充分だと思います。

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 11月08日日曜日、私たちメダンお掃除クラブのボランティアたちは昼過ぎにムルデカ広場のミニ・休憩所に集まりました。
 記念日の前にメダンお掃除クラブ専用のT-シャツをみんなで寄せ合って作ったので、少しでも先輩であるジャカルタのお掃除クラブのように統一できればなあと思いました。

 Lily29-02はじめは10人程度だったのが、途中から10、20人と集まってきて、最後には60人過ぎてしまいました! 新しくメンバーに加わった人、興味半分に見にきたのと、色々あると思いますが、うれしかったです。でもたくさん集まっても30人前後だろうと思っていて、焼きそば、果物などもそのぐらいしか準備していませんでした。。お好み焼きはどうにか間に合ったようですが。。

 まず始めは会長の挨拶の一言、二言、それからボランティアからの寄付のデコレーション・ケーキ。そのケーキの表面にはメダンお掃除クラブのマークが飾られていました。うれしかったです。
 みんなで少しずつケーキを食べて、その後村山さんという環境のお仕事でこちらにいらしている日本の人にゴミの分解時間ということを学びました。ゴミの分解時間など初めて知ったボランテイアもいるでしょう。正直言って、少しも土に分解できないゴミがあるとは知りませんでした。それはペットボトルやポリエチレンの容器などなんですね。

 こちらではそういうゴミは毎日のように捨てられています。恥ずかしいことにインドネシアはビニール袋をたくさん海に捨てている国で中国に次ぐ第二位の国なんだそうです。
 そういう汚名を少しずつでもなくすためには村山さんのお話はとても勉強になりました。これからの若い人たちが少しずつでも修正していくことを期待しています。
 たくさんお勉強したあとはやはり主要のお掃除です。30人ぐらいお掃除に出かけて、あとはお好み焼きの準備をしたりで忙しかったです。
 途中今日本から高校の日本語教師のアシスタントとしていらしている出口さんも他の先生といっしょに来ていただきました。Lily29-01
 お掃除が終わってから、みんなで食事。大勢で食べることは本当においしく感じられますね。

 この後、高校生グループのよさこい踊りやAKBの音楽に合わせたかわいいグループのダンス、ギターの三人の男の子のグループが日本の歌を披露しました。Lily29-06
 次に自分たちで作ったポスターを持ってみんなでフラッシュモッブ(大勢で踊るダンス)。最後には広場のジョギングトラックをみんなでポスター持ってグルッと一回りのデモンストレーションをしました。

 「ゴミをきちんとゴミ箱に捨ててください」と広場の人たちに呼びかけました。これから私たちができなくなっても、彼ら若者達に引渡し継続して行くことを願ってメダンお掃除クラブの三本締めをしてから解散しました。

 

 お掃除クラブの一周年記念、とても有意義な一日でした。

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著:Lily Fatma (リリー・ファッマ)
 逗子生まれ。父親はインドネシアの北スマトラ出身、母親は日本人で横浜生まれ。小学校と中学校は日本の教育を受け、その間も外交官の父についてインドネシアと日本を往復。高校在学中に在日インドネシア大使館を退職した父について帰国。現在はメダンで高校生、大学生、一般の人に日本語を、そして日本人にはインドネシア語を教えている。

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