2016年7月13日
南シナ海を巡る中国との領有権問題で2013年にフィリピンが提訴し、2015年10月から審理に入っていたオランダ・ハーグの仲裁裁判は7月12日、最終判断となる判決を出した。中国が南シナ海の領有権を主張する「九段線」について、「歴史的な権利を主張する法的根拠はない」とするなど、フィリピンの訴えを全面的に認めた判決となった。
フィリピンは15件について提訴していたが、その内7件について仲裁裁判所が審理に入っていたが、今回の判決では保留とされた8件の中にあった「九段線」について判断を示した。また、中国が埋め立てを進めてきた少なくとも7つの人工島に関しては、いずれも「低潮高地」か「岩」として、排他的経済水域(EEZ)や大陸棚が生じないとした。
この判決について中国は「無効で拘束力はない」とかねてからの主張通り従わない意向を表明した。
仲裁裁判所の判決の骨子は以下のとおり。
- 中国の主張する「九段線」には主権、管轄権、歴史的権利を主張する法的根拠はない
- 中国が実効支配する南沙(スプラトリー)諸島の人工島は「島」ではなく排他的経済水域(EEZ)は生じない
- スカボロー礁でフィリピン漁民を締め出した中国の行為は国際法違反
- ミスチーフ礁とセカンド・トーマス礁はフィリピンのEEZ内にある
- 中国の南沙諸島での人工島建設は環境保護義務に違反する
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