2016年8月26日 〔フィリピン〕
フィリピンで、警察官による麻薬犯罪容疑者の殺害が急激に増加している。フィリピン国家警察によると、ドゥテルテ大統領就任の7月1日から8月22日までの間に712人の麻薬犯罪容疑者が職務執行中の警察官により殺害されている。
また、自警団などが関わったとみられる実行犯不詳の殺人も1067件発生している。
今回の件を受けて、国連は「超法規的な処刑だ」と批判をしており、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも独立機関を設置し警察官の職務執行が適切であったかを調査するよういフィリピン政府に求めた。
これらの国際機関からの批判に対して、ドゥテルテ大統領は「犯罪者の命と、全国民の安心・安全のどちらが大事だ」として批判を受け付けない姿勢を取っている。
ドゥテルテ大統領はダバオ市長時代に、フィリピンで最悪とも言われた同士の治安の悪さを改善した実績が評価されているが、その陰には司法手続きを通さず犯罪者を殺害する“暗殺団”が存在するとも言われている。また、「犯罪者は殺害する」など過激な発言も行っている。大統領選挙でも「6か月以内に麻薬犯罪者を一掃する」と公約している。
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〔Clisien ― ASEAN Info Clips 編集部〕
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