<次話>
インドネシアでは、物価の目安としてスンバコという指標を使っています。
政府の商業省が1998年よりインフレなどの国民生活に関わる重要な計算に使われています。
そのスンバコとは9つの重要品目の省略後でスンビラン・バハン・ポコック(Sembilan Bahan Pokok)と言います。
スンバコ(重要9品目)は以下のような物です。
1.コメ・サゴ・とうもろこし
2.グラニュー糖
3.野菜と果物
4.牛肉・鶏肉
5.食用油・マーガリン
6.牛乳
7.卵
8.灯油・LPガス
9.食塩
なお、サゴというのはパプアニューギニアなどの海岸近くにある生えているサゴヤシの幹からとった白色の米粒状のでんぷんで、それを粉などにして使っています。「タピオカに似ているもの」と思っていいと思います。
ただ、このスンバコは実際の物価感覚とズレてきています。
それは近年の急激な経済成長によって工業化が進み、いわゆる農産物を主体とした物価ではマッチしなくなっています。
現在で一番国民にとって物価上昇を感じるものはやはりガソリンです。それはバイクの普及で一番身近に感じられるからです。
インドネシアではガソリンのことをBBMと言いますが、国民的な足と言っても良いガソリンの値段が上がるとそれにつられてすべての品物の値段が上がります。
2014年11月にジョコウィ新大統領がそのガソリンの補助金を一部廃止にしたため値段が一気に30%増え、1リットル当たり8500ルピア(85.5円:12/7現在)になりました。
インドネシアでのビジネスをするには、スンバコよりもガソリンの値段に注目していくほうが現実的だと言えますね。
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執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせは今すぐメールを!
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