フィリピン、戒厳令を全国に広げる可能性も

2017年5月25日 〔フィリピン〕

 外遊先のロシアから戒厳令を布告したフィリピンのドゥテルテ大統領は、日程を早め5月23日に帰国した。翌24日に会見し、戒厳令布告に関して「テロとの戦いを終わりにする」と強調した。また、戒厳令を全国に広げる可能性についても言及した。

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 フィリピン南部に位置するミンダナオ島は、マニラのあるルソン島に次いで大きな島で、南方からのマレー系民族の影響でイスラム教徒も存在する。南部には「イスラム教徒ミンダナオ自治地域( Autonomous Region in Muslim Mindanao:ARMM) も存在する。

 ミンダナオ島の主要なイスラム系反政府武闘派勢力は、モロ民族解放戦線(Moro National Liberation Front:MNLF)、そしてここから分派したモロイスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front:MILF)やア・サヤフ(Abu Sayyaf Group:ASG)などが大きい。モロ(Moro)とは、フィリピンのスールー諸島・パラワン島・ミンダナオ島(マギンダナオ州等)などの島に分布するムスリムの総称。約250万人存在すると言われている。

 また、最近では、マウテ兄弟が率いるマウテ・グループ(Maute Group)が過激行動を繰り広げている。

 フィリピンでは1972年にマルコス大統領(当時)が全土に戒厳令を布告した歴史がある。

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〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

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