○名代富士そばの東南アジア挑戦

2017年9月4日 

 関東1都3県で展開する蕎麦屋「名代富士そば」は、2代目社長の丹有樹氏により東南アジア展開を進めている。2013年にインドネシアに出店し撤退したが、現在は台湾4店に加え東南アジアでもフィリピンに5店、シンガポールに1店出店している。

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 東南アジアでは日本のラーメンが受け入れられ、現地の食事としては高額ながら、たまに食べるご馳走としてそれぞれの国の人たちに受け入れられている。元来麺食文化のある東南アジアにラーメンに続いてブームを作ったがうどん。丸亀製麺は今では多くのフードコートに出展して現地の人たちに親しまれている。

 ラーメンやうどんに比べて日本のそばは、これらの国々では受け入れられにくいとみられている。日本人にはなじみのそばの麺の色も、現地の人々には味が想像しにくく口にしにくいこともあるだろう。そして、麺の持つ味と、つゆの出汁の味が基本のそばの味は、どうやら淡泊すぎてなじみにくのかもしれない。

 丸亀製麺のうどんが東南アジアで成功した理由のひとつには、手軽に手が出せる各種天ぷらがあるのではないだろうか。うどんを食べるというよりは、天ぷらをいくつか選び、現地風のソースで味付けをして食べることでうどん店の敷居を低くした可能性がある。

 丸亀製麺のうどんは、インドネシアでも現地の人でにぎわっている。天ぷらの横には、インドネシアの人たちが好むチリソース(サンバル)が置いてある。それをたっぷりとって天ぷらにつけてうどんと一緒に食べている。そのインドネシアに出店していた富士そばは、きれいな店舗に日本風のメニューが揃えらていた。サービスも良く味も良かった。インドネシアに住む日本人には懐かしい味だったと思う。ただ、日本のそばの味を知ってもらいたいという思いがちょっと強すぎたのかもしれない。

 フィリピンに展開した富士そばは、日本の立ち食いそばの形態から大きく離れ、レストラン形式の中価格帯のそば屋として展開している。それがあたり2年間で5店舗まで拡大した。また、所得の高いシンガポールでは、鍋や一品料理も提供する高価格帯レストランとして成功しているようである。

 一度撤退したインドネシアにも、もう一度進出してもらいたい。

〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

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分類 〔プチノート〕, 日系進出, 東南アジア諸国