2018年1月23日 〔ベトナム〕
ベトナム・ハノイの人民裁判所は1月22日、ベトナムの国営石油会社「ペトロベトナム」の巨額損失事件を巡り、同社会長を務めたディン・ラ・タン前ホーチミン市共産党委員会書記(前党政治局員)に対して禁錮13年の実刑判決を言い渡した。経営判断の誤りで同社に多額の損失を与えたことなどが理由。
今回の摘発は、ブエン・フー・チョン党書記長が主導する反腐敗闘争の一環。ペトロベトナムの巨額損失は2017年から表面化していたが、同年5月にタン氏が失脚したため収束したと思われていた。
共産党の一党支配下にあるベトナムでは、書記は知事職にあたる。その党の最高指導者にあたる政治局員の経験者が実刑判決を受けるのは極めて異例。
ディン・ラ・タン氏は、2016年の党大会で書記長昇格が有力視されていながら引退することになったグエン・タン・ズン前首相に近いため、権力闘争が背景にあるともささやかれている。
また、ペトロベトナム傘下のペトロベトナム建設の下会長で、同じくズン氏に近いチン・スアン・タイン氏に対しても、同裁判所は終身刑を言い渡した。タイン氏はドイツに国外逃亡していたが急遽ベトナムに戻り出頭した。ドイツ政府は「ベトナムの情報機関が誘拐した」と主張している。
〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む○