「ジャカルタに残る昔ながらの市場」

2018年7月1日 〔インドネシア〕

 インドネシアの首都ジャカルタには80を超える数の近代的なショッピングモールが存在します。そこでの買い物や食事は少々高めですが、涼しくきれいで安全な場所です。その一方、何百年も前から存在する庶民の市場もまだまだ健在です。ジャカルタの5つの代表的な市場を紹介します。

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1. タナ・アバン市場(Pasar Tanah Abang)

 1735年に開設された古い市場。ジャカルタの中心部ともいえるタムリン通りとスディルマン通りの境目にある大きなサークルの北西に位置する。以前は「土曜市場(Pasar Sabut)」と呼ばれ、土曜日だけの市場だったようですが、今では繊維の卸問屋が集まり毎日にぎわっているようです。ここは東南アジア最大の繊維市場とも言われているようです。

2. ジャティネガラ市場(Pasar Jatinegara)

 ジャカルタの中心部にある、独立記念塔(モナス:Monas)の建つ独立公園の北東に位置する、東ジャカルタに暮す人々にとって親しみのある市場です。「ジャティネガラ貿易センター(Jatinegara Trade Centre:JTC)」とか昔の名前の「Pasar Mester」とかで呼ばれることも多いようです。ちなみに看板には「Pasar Mester」と書かれているとか。

3. バル市場(Pasar Baru)

 以前は「バロエ市場(Pasar Baroe)」と呼ばれていたそうです。独立記念塔(モナス)のある公園のすぐ北東側にあります。ここも1820年という古い時代からある市場です。今でもインドネシア人、中国人、インド人などさまざまな人たちでにぎわっています。ここには多くのインド人の店が立ち並ぶため、別名「リトル・インディア」とも呼ばれています。

4. スネン市場(Pasar Senen)

 スネン市場とは「月曜市場」のことです。インドネシア語で「Senen」または「Senin」は月曜日。今では毎日開いています。独立記念塔(モナス)のある公園のすぐ東側にあるこの市場は、タナ・アバン市場と同じ1735年に開設されています。タナ・アバン市場とスネン市場を設計したのは同じ人物のようです。この市場は後に若い知識人が集まる場所として知られるようになったそうです。

5. グロドック市場(Pasar Glodok)

 ジャカルタの「チャイナタウン」としても知られています。この地域は、オランダ植民地時代にインド兵とインドネシア兵たちが中華民族の人たちを殺戮するという悲しい歴史を背負っています。そして、その後中華民族の人たちの居住地区として指定されたそうです。

 

 

 先日、アジアからの訪日旅行者に「日本には市場(マーケット)はないのか?」とたずねられました。日本で「市場」というと、専門家が鮮魚や生鮮野菜などを売り買いするところを思い浮かべてしまいます。しかしながら、東南アジアでは一般の人たちが買物でにぎわう「市場」があります。暑い国々が多いため、夜になってから開き始める市場もいろいろあります。

 そんな市場を訪れるとその国の暮らしがいろいろ見えてきて楽しいものです。

 そういえば、日本にも小売店がいろいろ並ぶ古くからある庶民の買い物場所があることを思い出しました。「商店街」です。こんど訪日外国人に「市場はないか?」とたずねられたら、商店街を紹介したいと思います。

 

〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

 

 

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