○FACTS:タイ総選挙2019

2019年3月23日 〔タイ〕

< 総選挙2019年>

 投開票日:2019年3月24日

 上院(元老院)議員定数:250人(※2017年4月憲法で定数200人と定められたが5年間は暫定的に250人)
 下院(人民代表院)議員定数:500人

上院議員はすべてを非公選。複数あるグループで選出された候補者の互選によって選出される。

下院議員は、小選挙区(350議席)の候補者1人のみに投票し、各党が獲得した得票数から算出された割合え比例代表議席(150議席)の当選枠を得る「小選挙区比例代表併用制方式」で選出される。

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 首相選出:

各政党は最大3人まで首相候補をたてて選挙戦を戦う。2017年4月交付の憲法で上院議員にも首相指名選挙の投票権が与えられ、上下院750人による投票で首相が選出される。また、同憲法により国会議員でない人物の首相就任が容認されている。

 今後の予定

5月9日までに選挙管理委員会が小選挙区の95%の結果を確定予定。
5月24日、新首相指名のための国会召集

<主要政党>

○親軍政

「国民国家の力党」[People’s State Power Party] (別名:「パランプラチャーラット党」[Palang Pracharat Party : PPP] )

党首:ウッタマ前工業相(Uttama Savahaon)
現在の軍政を事実上継承する政党。プラユット暫定首相を首相候補として擁立
擁立首相候補:プラユット暫定首相(64)、ウッタマ党首、ソムキット副首相

○タクシン元首相派

「タイ貢献党(プアタイ党)」[Pheu Thai Party : PTP]

党首:ウィロート・パオイン(Viroj Pao-in)
タクシン元首相派の中核的存在
擁立首相候補:スダラット元保険相(57)

「国家維持党」[Thai Save the Nation Party (Thai Raksa Chart Party)]

党首:プリーチャポン:Preechapol)
※ウボンラット王女を首相候補に擁立しようとしたことで3月7日、憲法裁判所から解党処分を受ける。同党の下院議員は党を変えても3月24日の選挙には出馬できない。

○反軍政

「新未来党」(Future Forward Party:FWP)

党首:タナトーン(Thanathorn Juangroongruangkit)


○その他

「民主党」[Democrat Party]

党首:アピシット・ウェーチャチーワ (Abhisit Vejjajiva)
首相候補:アピシット元首相(54)


「新経済党」New Economics Party:NEP

党首:ミンクワン・セーンスワン(Mingkwan Sangsuwan)

 

<「国家維持党」の解党について>

 国会維持党が、首相候補としてプミポン前国王の第一子であるウボンラット王女を首相候補として擁立しようとした。そのことが、立憲君主制に反する行為と判断され解党を命じられた。
 その結果、同党の下院議員は所属政党を変更しても3月24日の総選挙には出馬できない。

〔経緯〕

2019年2月8日:国家維持党が女王を首相候補として擁立する意向を発表
2月9日夜:ワチラロンコン国王が「不適切」との声明を発表
2月13日:選挙管理委員会が違法と判断し憲法裁判所に解党処分を申し立て
3月7日:憲法裁判所が「立憲君主制に反する行為」として解党を命じる

 

○ウボンラット王女(Princess Ubolratana Mahidol)

 1951年、プミポン前国王の第一子として誕生。ワチラロンコン国王(King Vajiralongkon)の姉。マサチューセッツ工科大学(MIT)で学び1972年に米国人と結婚。外国人の結婚で王室を離れる。その後離婚し2001年にタイに帰国。王室に準じる生活をしている。3人の子供がいたが1人は2004年の津波で亡くしている。

〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

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