シンガポール、野党に「偽ニュース対策法」適用

2020年7月3日 〔シンガポール〕

 シンガポール政府は7月2日、「フェイクニュース(偽ニュース)・情報操作対策法」に基づいて、野党「ピープルズ・ボイス(People’s Voice Party)」と同党のリム・ティーン(Lim Tean)党首に訂正命令を出した。

[PR]

 訂正命令を受けたのは、「外国人に無料の教育機会を提供するため、多額の資金を使っている」と主張するピープルズ・ボイスのフェイスブックやティーン氏の動画投稿サイトへの投稿。これに対して、シンガポール政府は「大多数の外国人学生はシンガポール人の学生よりも高い授業料を支払っている」として、投稿を虚偽だと認定した。ティーン氏は2019年12月にも同様の内容で訂正命令を受けている。(The Straits Times 2019.12.17

 同国の「フェイクニュース・情報操作対策法」 は2019年5月13日に可決し、10月に施行されている。所管の閣僚が虚偽と判断したネット上の情報に対して訂正や削除を求めることができる。情報を流した個人や企業だけでなく、フェイスブックなどのネット大手も迅速な対応をする必要があり、違反した個人には禁錮刑や罰金を科することもできる。

 シンガポールでは7月10日に総選挙の投開票が予定されおり、その立候補者に対する対する初の適用となる。

 

 シンガポールでは、外国人が雇用機会を奪っているとの意識が一部の国民に根強くあり、外国人の雇用や移民政策は今回の総選挙の争点の1つになっていると考えられている。

[関連記事]

〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

 

シンガポール、野党に「偽ニュース対策法」適用 はコメントを受け付けていません

分類 *news, シンガポール