○シンガポール総選挙2020で「労働者党」躍進

2020年7月11日 〔シンガポール〕

 シンガポール総選挙(一院制、93議席)が7月10日に投票日を迎え、開票の結果1965年の独立以来政権を守り続ける与党「人民行動党(PAP)」が83議席を獲得して安定議席数を守った。しかしながら、野党「労働者党(WP)」が議席数を大きく伸ばし10とし躍進した。

[PR]

 労働者党(WP:Workers’ Party)はシンガポール独立以前の1956年に結成された老舗だ。そして1984年総選挙で初めて1議席を獲得。翌1988年総選挙では議席確保はならなかったが、その次の1991年総選挙からは議席を獲得し続けている。

 そして、2011年にはそれまでの1議席を6議席と大幅に増加させた。それまでは1人区であるHougang選挙区で継続的に勝利していたが、この選挙では新たに5人のグループ選挙区(Aljunied選挙区)で勝利し、新たに5議席を追加した。

 前回の2015年総選挙でも同じ選挙区で勝利したWPは、今回あらたに4人の選挙区(Sengkong選挙区)でも勝利したことで、4議席を追加し10議席とした。野党が10議席を獲得したのはシンガポール独立以来初めてだ。

注: シンガポールの選挙区

  • 「1人区(SMC)」・・・・・・・・・・・・・選挙区で1人だけが当選する小選挙区
  • 「グループ選挙区(GRC)」・・・・複数人がグループとして立候補しそのグループの得票率によって全員の当否が決まる。ただし、最低1人は華人以外の少数民族である必要がある。議員の多様化を維持するというのが名目の制度だが、大政党が有利となるため野党から批判の声も多い

[関連記事]

〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

○シンガポール総選挙2020で「労働者党」躍進 はコメントを受け付けていません

分類 *info, シンガポール