カンボジアのフン・セン政権、政敵排除の改憲

2021年10月21日 〔カンボジア〕

 カンボジアのフン・セン政権が、二重国籍者が首相や下院議長などの政治の要職に就くことを禁じる方向で憲法改正の手続きを進めている。2022年の地方選、2023年の総選挙(下院選)を見据えて、外国籍を持ち海外に逃れている野党指導者などを排除する狙いだ。

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 同国の上下両院はフン・セン氏の与党「カンボジア人民党(CPP)」が掌握しており、憲法改正案は近く可決される予定。改正案では「首相、上下両院議長、憲法評議会(司法機関トップ)議長などの要職に就く資格をカンボジア国籍だけを持つ」と定めている。

 与党「カンボジア人民党(CPP)」は2018年に行われた前回の総選挙で下院の議席を独占した。その前の2013年の総選挙で躍進した当時の最大野党「カンボジア救国党(CNRP)」を最高裁判所の命令で解党させた結果だ。

 そのCNRPの元党員らが新たな政党を立ち上げ、次の選挙に向けた準備を進めている。CNRPの指導者の一人サム・レンシー氏は名誉棄損などの容疑で当局に追われ2015年にフランス渡っており、フランスとカンボジアの両方の国籍を持つ。

〔Clisien – SEAsia Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

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