マレーシアで「盆踊り大会」を巡り論争

2022年6月23日 〔マレーシア〕

 今や東南アジアで年中行事のひとつとなった「盆踊り(Bon Odori)」を巡り、マレーシアではちょっとした論争が起きている。

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 ことの発端は、盆踊り大会は“仏教に根差す行事”なのでイスラム教徒は参加すべきではないと、マレーシアのイスラム政党「マレーシア・イスラム党(PAS)」が2022年6月6日にイスラム教徒の不参加を呼びかけたことにある。

 PASの幹部で首相府相(宗教担当)を務めるイドリス・アハマド氏が、イスラム教徒の盆踊りへの不参加を主張した。イスラムでは踊ったり霊を崇拝したりすることで先祖を思い出すことは奨励されていないという。

 日本が起源の盆踊りは、いまや東南アジアではタイ、マレーシア、インドネシアで毎年開催される人気の行事となっている。コロナ禍前の2019年7月にクアラルンプール近郊のシャー・アラム競技場で開催された盆踊り大会には約3万5千人が集まったという。

 コロナ禍で中止となっていた盆踊り大会が3年振りに開催される。7月16日にシャー・アラムで、そして7月30日にはペナンでの開催が予定されている。

 イドリス・アハマド氏のイスラム教徒不参加の主張は、イスラム教組織などからは一定の指示を得ているが、マレーシア人元高官で構成される組織「G25」は、マレーシア人は多文化の多様性や多種多様な民族の祭りを楽しむ自由を認められるべきだと批判している。

 折衷案として「盆踊り大会」という名称を「日本文化フェスティバル」などの名称に変更する案なども出ているようだ。

〔Clisien – SEAsia Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

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