連載「最新インドネシアビジネスニュース」(12)今ジャカルタでコメディが大人気!そのはしりはYouTube?

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インドネシアはイスラムの戒律が多くあります。
パチンコなどの賭け事は禁止、アルコール禁止、婚前交渉も禁止です。
娯楽と呼べるのものが少ない中、インドネシアで男女とも楽しめるのはコメディーです。

以前よりお笑い芸人はいましたし、お笑いのテレビ番組は人気がありました。
ところが、この数年はパソコンの普及率が上がり、ネット配信のYouTubeからコメディーが流行りだしたのです。

今回はそんなインドネシアのコメディーについて、どんなものが流行っているのか、
コメディーについてどう感じているのかなどについて詳しくご紹介します。

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1.YouTube スターになった「ミコ」

「ミコ」と聞いて知らないインドネシア人は、ほとんどいません。
これはYoutubeで2012年より配信されていたドラマ仕立ての「マラーム ミング ミコ」のことです。
「ミコ」とはドラマ内の役の名前で、本名は「Raditya Dika」です。
「マラーム ミング ミコ」とは、「ミコの土曜日の夜」という意味で、
日本でいうところの週末の夜、つまり「ハナ金」という意味合いになります。

その「ミコ」と、友人の「リアン」、お手伝いの男性「アンチャ」と繰り広げるコメディードラマになっています。
その再生回数は、ある1本だけで183万回を超えています。
そして、このシリーズは40本以上アップされている人気チャンネルになっています。

ストーリーはおもに、ミコが美人女性とデートして、そのコミカルなやりとりがあり、
最後にはフラれたり、事件に巻き込まれていきます。

例えば、「エピソード ニーサ」では、美人のニーサと初めてのデートします。
レストランで長い間、食事をしながらコミカルな話をしています。
そんな時、お手伝いの「アンチャ」から電話があります。

アンチャ:ゴキブリがいるんだけどどうしたらいい?
ミコ:殺せ!、頭をぶっ叩いて、頭をへし折れ!

それを聞いていた「ニーサ」は怖くなって急いでタクシーをひろって帰ります。
ミコは車でニーサを追いかけ、家の前で、「なんで?どうして?」と詰め寄りますが、
ニーサから「私をなんとかしようとしているでしょう、もう行って!」と防犯用のスプレーをかけられます。

ミコはしょんぼりとして家に帰り、友人のリアンに
「もうしばらくはデートしたくない」。

リアンは、「そういうこともあるさ。他の子はどう?ミランダって名前で頭いいし、モデルだよ」
と言われるとコロッと気がかわって「写真はある?」というオチです。

現在では、彼らは「ユーチューブ・スター」になり、本を出版したり、
テレビなどにも頻繁に出演するようになりました。

2.お笑い番組の構成

インドネシアのテレビ番組でやはり人気があるのが、コメディー番組です。
その中で不動地位を保っているのはトランス トゥジュ(Trans 7)というテレビ局の_トーク番組
「ブカン ウンパット マタ」(Bukan Empat Mata)という番組です。

コメディアンの「トゥクール アルワナ」(Tukul Aewana)が司会で、毎週様々なゲストを招き、
パソコンをテーブルの上に置いて、そのキーワードをもとに、楽しいトークショーを行なっています。

その中でのお決まりフレーズが「クンバリ ク ラップトップ!」。

話がまとまらなかったり、次の話題に移る時に、会場の観客と一緒に
「パソコンに戻って!」という区切りをつけるのです。

こういったトーク番組も多いのもインドネシアの特徴です。
また、他には4~6人の出演者で、かけあうコメディーもあります。
その出演者の中に必ずいるのが、ニューハーフと美人アナウンサーですね。

その他には、スタンドアップ・コメディーのコンテスト番組も人気があります。
一般から公募されたコメディアン候補がコンテスト形式で競い合います。


3.インドドネシアから招待された日本人コメディアン

日本ではそれほど人気がなかったのですが、これもYoutubeでインドネシア語版が出されて
火がつきました。それが「あたりまえ体操」のCOWCOW(吉本興業)です。

インドネシア語版は「Senam yang iya-iyalah」

その後、インドネシアのテレビ局からたくさんのオファーがあり、
何度もインドネシアに行って、テレビでも有名になっているのです。

小さな子どたちもマネをして遊んでいますし、それをマネたYouTubeも
たくさんアップされています。


4.コメディー映画のタイプ

インドネシアの娯楽の一つに、映画があります。比較的安く楽しめることで若者を中心に
人気があります。そして、ほとんどのショッピングモールには映画館が併設されています。

上映されている映画は、ハリウッド映画などの外国からのものが半分と、
インドネシア国内で製作されたものが半分といった割合です。

インドネシア国内の映画は、ホラー、ラブストリー、コメディーがほぼ占めています。
最近のコメディーとしては、ディアン・サストロ主演の「7/24」、
トラ・スディロ主演の「Kacaunya Dunia Persilatan」(シラット拳法界の混乱)
などがあります。


5.インドネシア語のコメディー的表現

インドネシアの友人たちと話をしたり、コメディー番組にはよく使われる表現です。
これがタイミングよく表現できたら、もっと楽しくなりますね。

・Acara lawak(アチャラ ラワック):お笑い番組
・Lucu!(ルチュ):おもしろい~。
・Suka bercanda(スッカ ブルチャンダ):(もう)冗談ばっかりなんだから。
・Jangan bilang siapa-siap.(ジャガン ビラン シアパーシアパ):誰にも言わないでね。
・Mana bisa(マナ ビサ):できっこないよ。

・Berisik!(ブリシック):うるさい!
・Oh, begitu!(オ ブギトゥ):そうなんだ!
・Masa, sih!(マサ、シー!):まさか、そんな。
・Mari kita~(マリ キタ~):~しましょう。
・Setuju!(ストゥジュ):賛成!
・Luar biasa(ルアール ビアサ):すごい。普通じゃない。
・Menyenangkan sekali (ムニュナンカン スカリ):とても楽しかったです。


まとめ

日本人から見ると、インドネシア人の多くは、いつも明るく笑顔でいると感じると思います。
彼らは毎日を楽しく過ごすことによって、ストレスを乗り越えているのです。
その一つがコメディーと接して、笑う時間が多いことです。

笑うことによって、ひとときの幸せを感じられる。
これがインドネシアの原動力を支えているのかもしれない。


執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせはメールでお願いします。
langkah.pasti3@gmail.com

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