著:Lily Fatma (リリー・ファッマ)
逗子生まれ。父親はインドネシアの北スマトラ出身、母親は日本人で横浜生まれ。小学校と中学校は日本の教育を受け、その間も外交官の父についてインドネシアと日本を往復。高校在学中に在日インドネシア大使館を退職した父について帰国。現在はメダンで高校生、大学生、一般の人に日本語を、そして日本人にはインドネシア語を教えている。
インドネシアでは日本の空手、柔道、合気道や拳法などの武道はずっと前から知られ、それらの道場はインドネシアの各地にあります。そして多くのインドネシア人が子供から大人まで稽古をしています。
しかし日本の最も古い武道である剣道はまだ首都のジャカルタ、スラバヤ、ジョクジャ、バンドゥンしかなく、またあまり広く知られていません。
そこで北スマトラの州都であるメダンの市民に剣道を紹介し、稽古場を作ろう!という働きが起こりました。そして2010年、北スマトラ大学と日本で勉学したインドネシア人留学生の集まり、そして北スマトラ柔道会によって設立されました。実際は2008年からメダンで色々な催しやイベントなどがあった時、時間の合間にデモンストレーションとしてよく出場していました。それがきっかけで剣道は人々の間で知られるようになりました。そのとき、積極的に後押ししてくださったのは、メダン在日本総領事館の方でした。
実際に打ち立てたのはやはりメダン在日本総領事館の総領事(2011-2015)で、氏は剣道五段で、メダン剣道の発展に大いに貢献した方です。忙しい中、ボランテイアとして生徒たちに教えていらっしゃいました。現在メダンの剣道の生徒数は全部で男女半々で200人ほどです。週2回、熱心に稽古をしているのは25人ほどです。
刀などのかっこいいスタイルに魅了されて道場に入ってくる若い人たちが多いです。
また剣道の気技体いわゆる心身のハーモニーという精神は若い人たちにとって大事なことだと思います。特に剣道は侍、武士の世界から成り立ったということで、侍や刀に魅かれて入ってくる若い人たちが多いようです。
剣道が柔道や空手などに比べて、あまり広く行き渡らなかったのは、防具がジャカルタにしか売ってない、グレーディング・テストがマレーシアまで行かないと、できないことでした。でも去年からインドネシアも剣道国際組織に参加し、国際試合に出場できるようになりました。今年5月日本で国際試合が行われます。
インドネシアの若い剣士たちの活躍を期待しましょう。
これからのメダン剣道の発展を期待したいですね。