(連載)「インドネシアの生活風景」   (10)歩道の靴屋と提灯屋

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こちらではちょっと広い歩道に午後から物を売り出す人が現れます。

私が住んでいる所から近い大通りの歩道には毎日色々なメーカーの靴が売り出されています。特に男性の靴とスポーツシューズが主です。値段は一般のお店●IMG_1511よりはちょっと安いです。その大通りの歩道には約二、三百メートルぐらいずっと靴屋さんが並びます。ちゃんとした小さい店で売っている靴屋もありますが、だいたいは歩道の上や、木の棚などに靴を並べてあるだけで、突然雨が降ってきたら、ビニールで覆うだけです。

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その中で中年のおばさんが責任者になっている靴屋にちょっとインタビューしてみました。
アルミニウムの棚にきれいに並べてあって、高そうな男性の靴がたくさんありました。ここは屋根があるので、大雨でもすばやくその下に車つきの棚を入れるそうです。おばさんは毎日五時半から十一時まで店にいます。
男性の靴は主にベリー製品で、値段は高くて三十万ルピアくらい。それも値切ることができるから、いつも若い人が買いに来るそうです。●IMG_1514
おばさんは小学校の娘さんが一人で、ご主人はトラックの運転手さん。
彼女が午後商売をやり出した時に、やっとご主人が帰ってくるという共稼ぎ夫婦ですね。彼女は若い男性一人に手伝わせていました。お客さんの中には何足も
試して見て、結局は買わない人も多いです。でも娘さんのため、生活のために一生懸命がんばっています。

次は、こちらではランピオンまたはレンテラという、日本の提灯と同じような形のランプですが、日本の提灯よりちょっと小さめのを売っている人を紹介します。

●IMG_1516この提灯売り屋さんは今まで見たことがない売りやで、ちょっと珍しいです。
夜、バイクで通ったときに、歩道できれいな光を放っていたので寄って見ました。
これはベッドサイドに置くランピオンで、小さい形です。特に子供用だそうです。
デザインは日本のマンガの主人公や他のアニメや映画のヒーローをまねたものです。
ドラエモン、ハローキティー、ミノン、テディーベアーなど、とてもかわいいです。キャラクターはインターネットで探して、自分で作っていくそうです。
これらは彼女自身の手製。売り出して一年、評判がいいそうです。●IMG_1520
風船ボールの型の周りを縫い糸で覆っていきます。それから色を塗って色々なキャラクターに作っていく提灯です。大きいのは三日かかるそうです。むかしは日本は蝋燭を入れていたみたいですね、今は電球です。妹さん一人に手伝わせているチャーミングなお嬢さん。彼女が使っている歩道は親戚の店の前なので、最初はただで商売できるそうです。よかったですね。
私がインタビューしていたとき、出産してまだ一ヶ月目の女性が一つ買っていきました。赤ちゃんのベッドのそばに置きたいそうです。

 

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著:Lily Fatma (リリー・ファッマ)

 逗子生まれ。父親はインドネシアの北スマトラ出身、母親は日本人で横浜生まれ。小学校と中学校は日本の教育を受け、その間も外交官の父についてインドネシアと日本を往復。高校在学中に在日インドネシア大使館を退職した父について帰国。現在はメダンで高校生、大学生、一般の人に日本語を、そして日本人にはインドネシア語を教えている。

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