近年、アジアへの投資先として上位を占めているインドネシア。豊富な資源と2億5千万人という世界第4位の人口が急激に中間層へと移行しつつあり、脱中国の製造部門、インフラ整備、サービスなどのビジネスチャンスが存在している。
ただ、そういった現在のインドネシアで正しい情報がなかなか手に入りにくいばかりではなく、情報が分散しており、実態がつかめにくい。今回は、日本語で現在のインドネシアを知るために、私も閲覧している情報誌やサイトをご紹介する。
ぜひ、あなたのビジネスの成功のために、有効に活用してほしい。
1.じゃかるた新聞
1998年発行のインドネシアで唯一の日刊総合新聞で、現地の政治・経済・文化を中心に最新情報を伝えている。独自の取材のほか、地元新聞やメディアとも連携して品質の高い情報を日本人向けに発行している。インドネシアに進出した日系企業の多くが定期購読し、活用している。文化面では、日本人学校での出来事や子供達の作文、JKT48のイベントなども掲載し、ローカルニュースの雰囲気もある。ウェブ配信もしているの日本でも見ることができる。(一部有料)
2.The Daily NNA
中国、タイ、ベトナムなども含め、アジア各国の最新経済情報を伝えている。インドネシアだけでなく、アジアの情報が掲載してあるので、各国のお国柄を読み取ることができる。同じアジアであっても、異なる問題点、流行、文化の違いがはっきり出ており、比較するには良い情報だ。一番素晴らしいところは、各分野におけるデータの分析と専門家による将来予測だ。投資関係、インフラ整備、文化的イベントなどをしっかりとしたデータで伝えており信頼できる。また曜日によってコラムがあり、タイ工場のリーダーを育てるコラム「実践!管理者道場」がオススメだ。執筆者は立川剛氏。タイの工場改善コンサルタントで、事例とともに現地人管理者をどのように指導するのかという方法を毎回掲載している。アジアの製造部門の関係者にとっては必読だ。
3.月刊インドネシア企業経営
インドネシアでは老舗のコンサルタントであるインドマルコ社が発行している経済月刊誌。インドネシアにおいての税務、経済の法令についての解説が中心に掲載。特に_政府の方針や法規関係が頻繁に変わるインドネシアにおいて、法規関係の変更はビジネスにおいて非常に重要な項目だ。また、マクロ経済、ミクロ経済の情報が非常に詳しく載っており、経済状況の把握がしやすい。インドネシアに進出した銀行、大手商社、企業など、多くの会社が活用している。
4.ハローインドネシア
日系だが、シンガポールに本社を持つ運送会社であるクラウンラインが発行している年間誌。インドネシアの基本的なビジネス・生活情報誌として利用されている。住居・交通事情・医療・工業などの分野別に進出日系企業を中心に会社名、住所、連絡先のリストが掲載されており、インドネシアの日系電話帳という感じだ。レストランガイド、ゴルフ場紹介、カルチャースクールも掲載されており、インドネシア進出企業や移住予定者には必須の一冊だ。また、ジャカルタ周辺だけでなく、バンドン、スラバヤ、バリなどの地方の情報も満載している。
5.さらさ
2004年12月より日系運送会社であるクラウンラインが発行している月刊生活情報誌。レストランやホテル、スパなどの最新情報を掲載している。インドネシア内を中心に旅行ガイドが充実しており、キレイで鮮明な写真とともに地方の素晴らしさを紹介している。また、「インドネシア経済リポート」や「日系企業のトップに聞く」というコーナーもあり、ビジネスにおいても有効だ。バックナンバーも購入できるので気になる記事を探すことも良いだろう。
6.南極星
日系旅行会社のジェイ・ネット・トラベルが発行する月刊生活情報誌。レストランの紹介や、バリ島旅行などを中心にきれいな写真とともに紹介している。インドネシア料理特集やジャカルタスウィーツ特集などの「穴場」的な掲載もあり、インドネシア滞在者にとって非常に嬉しい。また、シルバーや真珠をつかったアクセサリーなどの紹介もあり奥様方には必須のマガジンだ。
7.インドネシアwalker
_ウェブメディア事業を手がけるインフィックスが運営するインドネシアビジネスの総合ポータルサイト。ビジネス、学校、音楽なども含め、かなりニッチな情報を細かく伝えている。ライターはインドネシアを熟知した人が書いており、かなり真実味が強い。最近では、質問コーナーを設置しており、「こんな商品はインドネシアで売れるか?」といったような質問も気軽にできるようになっている。インドネシア全般を網羅しているので、ビジネス系だけでなく、文化・生活面の掲載も多い。
8.ジェイピープル
インドネシア在住で書籍も発行している東屋春喜(ニックネーム:ハル)さんが運営する総合情報サイト。著書は「ゼロから始める!インドネシアビジネス」で、ハルさんが苦労した経験やインドネシアの興味深さを伝えている。サイトはゴルフ、レストランなどのほか、ハルさんの趣味が転じた様々なブログ特集もあり、かなりディープな情報サイトだ。また、ハルさんはゴルフクラブのレンタルや中古販売なども手掛けており、駐在_員で知らない人はいないぐらい。私も以前、ゴルフクラブの修理をお願いしたこともある。
9.インドネシアライフ
インドネシア駐在員向けの週間情報誌。ビジネス、生活情報を中心に伝えている。駐在員向けなので日本の情報も合わせて伝えている。
まとめ
上記のほとんどが、一部有料になるが、日本に居ながらにして入手可能になっている。まずは現地の生の情報を知ることは非常に重要なことなので、時間をかけてじっくりと読むことをオススメする。ただ、やはり現地に行って、現地の人と話して、五感で感じることも必要で、大事ことだ。
今回の情報を参考にして、情報収集を効率的に行うことを希望する。
執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせはメールでお願いします。
langkah.pasti3@gmail.com