連載「最新インドネシアビジネスニュース」(17)

デヴィー夫人が語るプレマンの実態と恐怖(上) 『9月30日事件の真相』

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序文

急成長をしているインドネシアだが、インドネシア人の多くが恐怖に感じていることがある。それがプレマンだ。一般的には、ヤクザとかゴロツキなどと訳されているが、プレマンの実体はあまり知られていないにもかかわらず、インドネシア国内にかなりの数がいて、恐れられている。

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もちろん、進出する企業においては関わりたくない存在だが、「プレマンがいる」という実体を知っておく必要があるし、ある程度の対策を講じておくことがリスクの軽減につながるからだ。

2014年4月に「アウト・オブ・キリング」という映画が配信された。アカデミー賞候補に上がったのだが受賞にはいたらなかったドキュメンタリー映画があった。監督はオッペン・ハイマー氏。舞台はインドネシアで、スカルノ政権がクーデターによってスハルト政権に移行した「9月30日事件」後の、200万人とも言われる大量殺害事件についての映画だ。

1.9月30日事件の真相

インドネシアでは「デー・ティガプルー・エス(D30S)」と言われる事件で、1965年9月30日から10月1日未明に、国軍トップ6人の将校が何者かによって暗殺された。7番目の将校であったスハルト少将が軍のトップとなり首都の要所を制圧した。

スカルノ少将が事件発生直後に放送局を占拠し、「この暗殺は共産党によるクーデターだ」と決めつけ、共産党員及び共産党員だとされる人たちを「排除」するように働きかけたのだ。この「共産党狩り」によって100万人とも、200万人という途方もない人々が殺害されたと言われている。
結果的に1966年3月11日にスカルノはスハルトに大統領権限を委譲した。

これが事件の概要だが、実は真相は解明されていない。ただ、この時期のスカルノ大統領の状況に3つの影があった。

① 食料不足とインフレ
② アメリカとの仲違いと国内分裂騒動
③ 国軍_と共産党の対立

これらの影により、オランダからの独立を果たした英雄も、国民からの反発は免れなかったのだ。その歴史の舞台に突然現れたのがスハルトだ。共産党員の徹底的な排除は、スカルノ大統領の支持基盤を破壊し、アメリカからの支援を受けて、軍と共産党の対立に終止符を打つことになった。

続く

執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し
現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。
現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。
ビジネスインドネシア(http://bizidnesia.com/)にて情報を発信している。

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