○メコン流域各国の大切な調味料「魚醤」

 日本の食事に欠かせない調味料のひとつは「醤油」でしょうが、東南アジアの特にメコン川流域の国々の基本調味料は「魚醤」ではないでしょうか。

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タイ

 タイの魚醤は「ナンプラー」です。魚を塩漬けにしたときにできる汁を集めて熟成させたものがナンプラーです。バンコク近郊のマハーチャイがナンプラーの産地として有名だそうです。屋台や食堂ではナンプラーといっしょに、砂糖、唐辛子お酢がセットになっておかれているのが普通の光景です。それぞれでこれらの調味料を混ぜ合わせて好みの味にしているようです。

ベトナム

 ベトナムの魚醤は「ヌックマム」です。イワシ類やムロアジ類の魚に塩を加え、撹拌したあと、一年程発酵させるとどろどろにしたものができます。沈殿した部分と、上に浮いた部分の間にできる分離した液体部分を取り出してフィルターで濾して作ったのがが「一番搾り」のヌックマムだそうです。その後一番絞りのヌックマムと塩をタンクに戻して混ぜて、二番搾り、三番搾りと作られていきます。ヌックマムの特産地は南部のフーコック島です。ヌックマムに水、ライム、砂糖、にんにく、唐辛子を加えた「ヌックチャム」は、どんな料理にも合う調味料です。

カンボジア

 カンボジアの魚醤は「トゥック・トレイ」です。トゥック・トレイは、カンボジアの塩辛に似た「プラホック」というの食品の製造過程でとれる浸出液です。プラホックは、コイ科の魚を洗って頭と骨を取り、半干ししたのちに塩をまぶして瓶につめ、いろいろ世話をしながら一か月以上発酵させで出来上がります。できあがりはバラ色がかった灰色をしたペーストになりますが、この発酵の過程でとれる汁がトゥック・トレイです。

ラオス

 ラオスの魚醤は「ナムパー」で、タイやベトナムの工場で作った輸入品が主流になっているようです。また、ラオスには独自の調味料として「パーデーク」があり、川魚に塩と米ぬかを混ぜて3か月~1年間発酵させたものです。「パーデーク」は例えるなら味噌のようなものだと言えるかもしれません。液体部分を濾してお料理に加えたり、漬け込んだ魚をハーブと一緒に調理したりするそうです。

ミャンマー

 ミャンマーの魚醤は「ンガピャーイェー」です。ナマズ類の魚を材料にして、発酵熟成させたンガピガウンや、ンガピ(ミャンマー語で、ンガは魚、ピは圧する)と呼ばれる塩辛のペーストを作る際に得られる汁が「ンガピャーイェー」です。

 

(参考)

 

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