(連載)「インドネシアの生活風景」(21)

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(21)インドネシアのもち米料理「ナシ・ルマン」
                   (Lily Fatma)

  ご飯やもち米から作られるインドネシア料理はたくさん種類がありますが、今回は北スラウェシ(セレベス島)地方由来のナシ・ルマンをご紹介します。今ではインドネシア全国に広まって、その地域独特のルマンが作られています。

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 元々は何か祝い事や慣習行事の際などに出される食べ物でした。でも今は一年中一般にお店や道路の脇で売られています。材料はもち米、ココナッツ油(サンタン)、塩少々、パンダンの葉(Pandanus leaves、香り用)、直径7センチほどの青竹、バナナの若い葉、リディという椰子の葉から作られる楊枝のようなもの。(バナナの葉で包まれたルマンの端を留めるために使う)

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 作り方はまずもち米を30分ほど水に浸しておき、その後ざるLily-21-02に入れて水を切ります。サンタンはパンダンの葉と塩と一緒に沸騰するまで煮ます。そのサンタン煮汁の中にもち米を入れて、サンタンが米の中にしみ通るまで煮ます。
 それからバナナの葉を広げて、さきほどのもち米を広げます。葉を丸めて(海苔巻き作りと同じ要領)先をリディでとめます。Lily-21-05
 もち米の巻いたものを竹の中に入れます。その時、竹の上部を5センチほど残しておきます。それからやっと焚き火の上において焼きます。その間、火が平均に渡るよう時々、竹をグルグル回します。

 出来上がったら、竹の中からもち米を出して、食べやすいサイズに切り分けます。竹の中で焼くから、とても香ばしい匂いがします。サンタンのこくのあるもち米料理が出来上がり!

 お餅だから、お腹にもち、お弁当などにも合います。これだとオカズ無しで便利です。ただ一般の家庭ではあまり作りません。ちょっと大変ですからね。。

Lily-21-03 写真はルマンと北スマトラの州都、メダンから50キロぐらいの郊外の道路脇で売っているルマン屋さんです。Lily-21-01

 

  日本でもも ち米料理は多いですね。

著:Lily Fatma (リリー・ファッマ)
 逗子生まれ。父親はインドネシアの北スマトラ出身、母親は日本人で横浜生まれ。小学校と中学校は日本の教育を受け、その間も外交官の父についてインドネシアと日本を往復。高校在学中に在日インドネシア大使館を退職した父について帰国。現在はメダンで高校生、大学生、一般の人に日本語を、そして日本人にはインドネシア語を教えている。

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