ミャンマー少数民族武装組織8つと停戦協定調印

2015年10月16日

 ミャンマーのテイン・セイン政権は10月15日首都ネピドーにて、停戦合意を模索していた同国の少数民族武装勢力のうち8組織との停戦協定署名を行った。テイン・セイン大統領は11月8日の総選挙投票日前に全土停戦を求めていたが、昨日の調印式では「カチン民族同盟(KNU)」、など8組織のみが参加となり全土停戦は持ち越された。

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 停戦協定に署名したのは「カチン民族同盟(KNU)」、「パオ民族解放機構(PNLO)」、「民主カレン仏教徒軍(DKBA)」など8組織で、署名を拒否したのは政府が交渉相手としている15組織のうち、「カチン独立機構(KIO)」、「ワ州連合軍(UWSA)」など7組織だった。

 今回の選挙は、政権与党の「連邦団結発展党(USDP)」とアウン・サン・スー・チー党首が率いる最大野党「国民民主連盟(NLD)」とが接戦となると予測されてるため、少数民族を代表して少数ながら確実に議席を確保する複数の少数民族政党との協力が、選挙後の大統領選で鍵となると言われている。

 ミャンマーは人口の約7割をビルマ族が占めるが、ビルマ族以外にシャン族やカレン族など大小135の民族が存在する。その多くは中国やタイ、インドなどの国境周辺の山岳地帯に暮らしている。ミャンマーが英国から独立した1948年以来、中央集権的な統治体制を敷いたビルマ族に反発した少数民族が武装闘争を展開してきてきた。

 テイン・セイン大統領は、2011年3月の民政移管以来、全土停戦のために少数民族との停戦交渉に着手していた。政府側が交渉相手と認めているのは15組織で、国軍との衝突が続く中国系コーカン族が組織する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」など3組織は除外してきた。その政府方針に反対し全組織での署名を求めてきた「カチン独立機構(KIO)」など7組織が今回の署名を拒否した。

 停戦のための交渉は2013年11月に始まり、今年3月に停戦協定草案に基本合意していた。

 今回停戦合意した8つの組織は以下の通り。

カレン民族同盟
Karen National Union (Kayin National Union)

パオ民族解放機構
Pa-O Nationalities Liberation Organization

民主カレン仏教徒軍
Democratic Kayin Buddhist Army

カレン民族解放軍平和協議会 
Karen National Liberation Army-Peace Council

全ビルマ学生民主戦線
All Burma Students’ Democratic Front

チン民族戦線
Chin National Front

アラカン解放党
Arakan Liberation Party

シャン州回復評議会/シャン州軍
Restoration Council of Shan State / Shan State Army-South 

 

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〔Clisien ASEAN News Clips 編集部〕 


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