ミャンマー選挙、スー・チー氏のNLDが勝つには

2015年10月29日

 ミャンマーの上下院・地方議会の議員を選ぶ総選挙の投票日11月8日が迫っています。ミャンマー国民からの支持が厚いアウン・サン・スー・チー氏が党首として率いる「国民民主連盟(NLD)」の優勢が伝えられていますが、選挙でNLDが勝つにはいくつかの障害が考えられます。

[PR]

 まず第一に選挙が公正に行われるかどうか。立候補者の何割かは立候補を認めらなかったり、有権者リストに漏れがあったりの問題がすでに起きています。その背景に何かしらの意図があったかどうかは分かりませんが、選挙管理委員会そのものが軍よりだと言われており、どこまで公正な選挙が行われるかが注目されます。

 そして第二に、現在NLDは圧倒的な国民人気と伝えられていますが、仏僧の全国組織「仏教保護機構(マバタ)」がスー・シー氏がイスラム教徒よりだとして反NLDキャンペーンを展開しており、現政権与党の「連邦団結発展党(USDP)」への投票を国民に促しています。仏教への信仰心の強い国民の多いミャンマーだけにこの組織の影響力が気になります。

 そして、選挙が公正に行われ、NLDが多くの議席を獲得したとしても、その結果を軍が受け入れるかという問題です。1990年に行われた選挙ではNLDが8割の議席を獲得しながら、当時の軍事政権はその選挙自体を取り消すという行動を取っています。

 これらの障害を乗り越えてNLDが多くの議席数を獲したとしても議席の4分の1が軍に割り当てられている国会で政治的主導権を握るにはまだまだ多くの困難が続きそうです。

他の記事も読む
-----
〔Clisien ASEAN News Clips 編集部〕 


※ 注)外部リンクは登録が必要な場合や、ページ消滅の場合があります。

ミャンマー選挙、スー・チー氏のNLDが勝つには はコメントを受け付けていません

分類 ミャンマー