◇ミャンマーの議員選挙・大統領選出

○ミャンマーの中央議会と議員選挙

 ミャンマーの「連邦議会」は上院(民族代表院、定数224)と下院(国民代表院、定数440)の二院制。ただし軍事政権下の2008年に制定された憲法により、国軍の政治的影響力を残す目的で上下両院それぞれ議席の25%(上院56、下院110)を軍人議席として割り当てている。そのため残りの75%が選挙により改選される議席(上院168、下院330)となっている。

 また上院は、少数民族への配慮から全国14の地域・州(※1)にそれぞれ12議席を均等に割り当てている。下院は全国を330の小選挙区に分けて1選挙区で1人が当選する。

 上院と下院の権限は同等とされており、採決は行動で行う。

○大統領選出

 上院、下院、軍人枠でそれぞれ1人の副大統領候補を決める。この3人の中から、上下両院の全議員の投票で大統領を選出する。落選した2人は副大統領となる。

 大統領の任期は5年で、2期まで。大統領には閣僚の任命権がある。ただし、国防、内務、国境の3閣僚は国軍司令官の指名で任命される。

 2008年制定の憲法の規定では、親・子・配偶者・子の配偶者が外国籍の場合は正副大統領にはなれない。

(参考) 1947年制定の初代憲法以降、大統領に加えて首相が存在していたが、2011年2月4日にテイン・セインが大統領に選出された際に首相ポストは廃止された。

2015年11月10日


 

Note:

※1:ミャンマー中央部のビルマ族が集中している部分が7地域、その周辺の少数民族が集中している部分が7州