□ベトナムの市場(JETROホーチミン事務所長)

2015年9月26日

  • 新興メコン(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの4か国)が今後の急成長市場として注目されている。
  • イオンは2014年、ホーチミン市に1号店、南部のビンズオン省に2号店が開業。2015年末にはハノイに3号店、そして2016年秋にはホーチミンのビンタン区に4号店ができる予定。
  • イオンはカンボジアにも2014年に進出している。
  • ベトナムの一人当たりのGDPは2014年に2000ドルを超えた。だが、ハノイでは2013年に3000ドルを、ホーチミンではすでに5000ドルを超えており、購買力はどんどん高まっている。
  • 昨年(2014年)の失業率は全体で2.1%。都市部でも3.4%と低く。貧困世帯率も8.2%と新興国としては少ない。
  • 北部はエレクトロニクスや自動車部品関連が多いが、南部は輸出型企業だけでなく、食品やサービス業などの内需型産業が比較的多い。
  • ベトナムには工業団地が300程度あるが、半数が南部にある。
  • また北部は中国への陸路のサプライチェーンになっているが、南部は港から欧米またはアセアン各国へ輸出する輸出加工型が多い。

○消費性向の南北の違い

  • あえて言えば、北部の人はあまりお金を使わず貯蓄に励む傾向があり、な部の人は借金してでも欲しいものを買う傾向がある。
  • ベトナムは民族的にはキン族が全体の約9割を占めている。少数民族も手厚く保護しているので民俗間の争いはない。ただ、ベトナム戦争の傷を癒すにはまだ時間がかかる。南北間でのデリケートな感情も理解する必要がある。

 

日本経済新聞(2015年9月15日) 「ベトナム特集」掲載の「ジェトロ・ホーチミン事務所 安栖宏隆 所長へのインタビュー記事」より