□ミャンマー財務副大臣が語る「ミャンマーの可能性」5つの強み

2015年9月13日

2015年8月に行われた基調講演でミャンマー財務副大臣 マウン・マウン・テイン氏が「ミャンマーの可能性」について語った。その内容から抜粋。

ミャンマーは「可能性の大地」。5つの強みがある。

1.グリーンフィールド(更地)投資の余地が大きい

ミャンマーは50年以上、外国に門戸を閉ざしていたため経済的な資源やビジネス機会はまだ完全に活用されていない。投資機会が幅広く残されている。

2.「新参者」特有の強み

民主主義や市場経済を取り入れるのが遅かった。その代わりに、先に取り入れた国の失敗を避け、教訓から学ぶことができる。

3.人口の強み

約5千万人の人口。生産年齢人口(15~64歳)が豊富なのが特徴。国際通貨基金(IMF)は報告書で「ミャンマーは労働や学びに飢えた若い層の多い「若い国」だと評した。労働コストは他国より低く、高齢化率も非常に低い。

4.多様な資源

翡翠(ひすい)やルビー、サファイアの生産量は世界有数の規模を誇る。天然ガスの埋蔵量も豊富。世界で12番目だという試算もある。これはインドネシアやマレーシアに匹敵する。水資源も豊富で、国民1人が使える水の量は中国やインドの10倍。まだ水資源の5%しか使っていない。森林地帯は3300万ヘクタールで、耕作に使える土地は広く、農業の潜在力は巨大。漁業も盛ん。

5.地政学的な重要性

インドや中国、バングラデシュと、タイやラオスを結ぶ要衝に位置する。これらの国の人口は世界の約4割に達する。中印や東南アジア諸国連合(ASEAN)といった巨大市場に容易にアクセスでき、物流面で恵まれている。海岸線が長いため、領海は広く、排他的経済水域(EEZ)も広大。アフリカ・中東とアジア諸国をつなぐ戦略的な位置にある。

 こういった強みを活かして、2010年から2020年にかけて年平均8%の経済成長率も可能だという試算がある。国内総生産(GDP)は2010年の約450億ドルから2030年には2,000億ドル以上まで伸びるとみられる。国民1人あたりのGDPは、同期化に1300ドルから5000ドルに増える見込みだ。

(以上、日本経済新聞 2015年8月20日の記事を参考にまとめ)