「Facebookの新機能とインドネシアのEC事情」

2016年10月5日

 Facebookが個人間の中古品売買を仲介する機能をスマホ向けに追加するという。この機能は「マーケットプレイス」と名付けられており、スマホのFacebookアプリに新設される専用アイコンを押すことで、近くにいるユーザーの出品商品が写真付で表示される。これはインドネシアにぴったりの機能だと感じた。

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 東南アジアでは電子商取引(EC)の利用者が拡大している。特に人口が多く国土も広大で、近くで商品を手に入れることが難しいインドネシアではネットショッピングはすでにかなりの利用者がいるようだ。そしてその取り引きの多くは個人対個人(C to C)で、ネットでは商品を提示するだけだ。商品の購入希望者は、販売者と携帯電話やスマートフォンなどのSMS(ショートメッセージサービス)やスマホのメッセージサービスなどでやりとりを行い、商品の引き渡しはバイクなどで届けに行く。そして支払いはその場で商品と交換。

 これが、インドネシアで多くの人たちが利用しているネットショッピングの形態だ。商品配達や料金決済などで大げさな仕組みはいらない。そのため、すでにFacebookは売り手にとっても買い手にとっても大切なECプラットフォームになっている。

 今回、Facebookが追加する「近くで販売している商品を表示する」という機能は、個人や商店が直接配達し、料金を受け取るというインドネシアのEC事情にはぴったりの機能だと感じる。

 この「マーケットプレイス」は、まず米国、英国、オーストラリア、そしてニュージーランドの4か国で開始されるようだが、インドネシアの人々こそ待ち焦がれている機能ではないだろうか。

2016年10月5日

リサーチャー 仁藤誠人

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