2021年3月26日 〔インドネシア〕
インドネシアで、アストラゼネカ社製の新型コロナウイルスワクチンに、イスラム教で禁忌されている豚由来物質が含まれていることが分かり、接種すべきかどうかのハラル論争が起きている。
今年に入り1月13日にジョコ・ウィドド大統領がワクチンを接種したことを皮切りに、政府要人などから順次枠人接種を行っている。これまでに接種を受けたのは500万人以上となっているが、これまでのワクチンはシノバック・バイオテック社製などの中国製ワクチンだった。
ところが、確保した中国製ワクチン3800万回分では不足気味となってきたため、2021年3月9日、インドネシア国家食品医薬品監督庁(BPOM)が英国アストラゼネカ社製のワクチンの緊急使用を許可した。
しかしながら、イスラム教指導者の組織である「インドネシア・イスラム聖職者(ウラマー)協議会(MUI)」は、研究機関による調査結果としてアストラゼネカ社製のワクチンに豚由来成分が含まれていることを明らかにし、イスラム教で禁忌されているとする「ハラムである」との宗教令(ファトワ)を出すに至った。MUIによると、豚の膵臓から出る消化酵素のひとつである「トリプシン」に由来する物質が含まれているという。
インドネシアでは3月25日現在で147万人6452人が新型コロナウイルスに感染しており、東南アジアで最悪の数字となっている。感染死者数は同じく3万9983人となっている。
〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む○