環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に関する12カ国参加の会議が7月28日より米国ハワイ州で開催されていますが、ASEAN加盟国から、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの4か国が参加しています。
協定加盟国間の「ヒト・モノ・カネ」の流れをスムーズにするのが狙いですが、マレーシアにはいくつかの課題があります。
そのひとつが米国が毎年発表している「人身売買や強制労働に関する報告書」による格付けが最低ランクだったことでした。最低ランクの格付けの場合、米国はその国との通商協定が禁じられています。しかし、米国はTPP交渉会議の直前に、マレーシアの格付けをひとつ上げた報告書を発表しました。TPP交渉に臨むマレーシアへの配慮かもしれないと言われています。
もうひとつの問題は、マレーシアが1971年より施行しているマレー系及び先住民優先の「ブミプトラ政策」です。マレーシアが「ブミプトラ政策」をTPPの例外として認めるように求めていることです。交渉会議でどう議論されるか注目されます。
〔エムニド・リサーチャー 仁藤誠人〕 2105年7月29日
※ 注)外部リンクは登録が必要な場合や、ページ消滅の場合があります。
〔関連記事〕