南シナ海問題、フィリピンの訴え審理開始

2015年10月31日

 南シナ海の領海権を巡るフィリピンの訴えにオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が国際法に照らした審理を始めるようだ。フィリピンは、中国が南シナ海で造成中の人口島について、満潮時に海に沈む「低潮高地(暗礁)」が国際法で領海の起点にはならないと2013年に訴えていた。審理によって初めて国際法上の判断が下されることになる。

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 フィリピンは、中国が南シナ海に9本の線をU字形に引き、その内側を主権が及ぶとする「九段線」は、「国連海洋法条約」に違反するなどと訴えていますが、中国は同裁判所に管轄権がないと主張し、今年7月の口頭弁論も欠席していた。

 10月29日の同裁判所の決定は、この中国の主張を退け、中国が欠席しても審理を行う方針を示した。ただし、中国が「九段線」により領有権を主張している点が国際法違反かどうかについては、管轄権の判断を保留した。

 年明けに審理を開始しフィリピンの追加の説明を求める予定。フィリピンの訴えは15件。うち7件については管轄権を認め審理入りを決めたもようだ。この7件には、南シナ海・南沙諸島(スプラトリー諸島)のスービ礁などが「低潮高地(暗礁)」であり、周辺を領海と主張するのは認められないとの訴えも含まれている。米軍が10月27日に航行したのはこのスービ礁周辺だ。

 

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〔Clisien ASEAN News Clips 編集部〕 


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