【連載】建国50年のシンガポールにて2015(8)

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第8話
シンガポールの住宅と交通 (有澤和歌子)

 MRTの駅から街を見ると、見渡す限り高層集合住宅が連なっている。日本に例えるなら公団分譲マンションというのがわかりやすいだろう。建国50年のシンガポールは様々な政策のもと、今日まで発展してきた。国民が安心して生活するため、仕事に力を出し切るための重要事として、建国当初より持ち家率の拡大が進められていた。

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 写真にある高層住宅はHDB(Housing Development Board:公営住宅)と言われている分譲住宅。MRTの各駅に直結していたり、少し歩くことになっても、連なるHDBの下を歩いていけば雨に濡れないことも多い。国民の90%以上がこの住宅に生活している。国土が小さいため高い建物が多く、30階40階というものも多い。広さは世帯人数によってさまざまで、私が生活していたお宅は4LDKでバスルームが2つある120平方メートル程度の広さのものだ。持ち家奨励のため、収入に応じて国の負担もあり、駅から近い=仕事のしやすい環境で生活ができるしくみになっている。(ただし、中心部より遠い場合が多い。) シンガポーリアンの中でもお金に余裕のある人たちは、駅からバスやタクシーを利用する郊外に一戸建ての家を構えて住んでいる。今回私が訪れた1軒は3階建て8LDKでシャワールームが4つあった。駐車場にはNISSANの車が停まっていた。

 arisawa-singapore 08-04 arisawa-singapore 08-05また、企業の駐在員やシンガポールで起業している外国人は都心に近いコンドミニアムに生活していることが多い。こちらはほぼ100%プールがあるそうだ。広さにもよるが1人用で1LDK35-50万円/月が相場で、物価も高いシンガポールに駐在員を置くのも大変かもしれない。

 

 シンガポールの電車やタクシー料金は、生活財の物価と比較すると本当に安い。たとえば、日本では私鉄+地下鉄で1時間ほどの距離の運賃は500-600円だが、シンガポールでは250円程度。タクシーはおいては日本人には信じられないほど安く、40分乗っても22S$(2000円程度)。公共移動運賃を低くして、駅から遠いところにも住みやすい環境を整備するという政策で、生活者が政策の良さを実感できる。うらやましい限りである。

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 さて、毎週木曜日に行われている航空券のキャンペーンサイトを見てみよう。シンガポールは東南アジアのハブであり、いろんな国に簡単に行ける。料金に驚いた。平日片道料金が、Krabi(クラビ:タイ)5S$、HoChiMinCity(ホーチミン:ベトナム)11S$、Bangkok(バンコク:タイ)11S$、まるで長距離バスの料金ではないか。私が自宅近くのバスで羽田空港に行くのが1,200円、シンガポールドルに換算すると12S$da.シンガポールの物価や生活コストは日本以上ということを考えると、この航空運賃が半端なく安いことはお分かり頂けると思う。

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 シンガポールは諸外国への出張や旅行には、本当にお金のかからない国なのだとうらやましくなった。

続く

著:有澤和歌子(ありさわ・わかこ)
wombプロジェクト代表、idiscover設立準備中
 旅行・海外出張で50か国を訪問。近年はアジア、特にASEAN・中国を中心に活動。富士通ではマーケティング、ITベンチャーのホットリンクでは広報責任者として従事した。自身の晩婚・不妊治療・高齢出産の経験より「卵子の老化」を若者に伝えることがライフワーク。富山県出身、青山学院大学経営学部卒。

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