【目次】
〔特集〕 フィリピンの自動車産業育成支援
〔主な出来事〕 ASEAN各国のコト/日本の動き/日系企業の進出/各国の統計情報
〔これからの出来事〕
【特集: フィリピンの自動車産業育成支援】
自動車生産拠点としてASEANは重要な地域。2014年のASEAN域内主要5カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)の自動車生産台数は合計398万台。ただ、そのうち半分近くをタイが占め(188万台)、2番目のインドネシア(130万台)と合わせて2か国でその約8割を占める。フィリピンは最少の8万8千台にとどまっている。
そこで、フィリピン政府が自国の自動車産業の育成のための支援策「CARS Program」を発表した。そして、2016年2月10日、三菱自動車がそのCARS Programへの参加を表明した。 〈※関連記事〉
フィリピンで自動車生産台数が伸びない理由として上げらているのは、部品メーカーが集積していないなどの理由によるコスト高。タイでの生産に比べ1台あたり1千ドル程度のコスト高になると言われている。
フィリピン貿易産業省は2015年6月1日、同国の自動車産業の保護・育成を目的とした支援策「CARS Program: Comprehensive Automotive Resurgence Strategy Program」を発表した。(※参考:フィリピンの自動車産業育成政策(CARS Program)(三菱東京UFJ))
同支援策は、外資メーカーなどに対する実質的な補助金支給が柱となっており、同国内での自動車生産台数を増やし雇用創出などにつなげるのが狙い。6年間で合計270億ペソ(約750億円)を充当する。具体的には指定3車種に1台あたり1千ドルの補助金が支払われる。指定車種となるためには、6年間で20万台以上の生産を行うことが条件となっている。
現在、トヨタ自動車と三菱自動車がフィリピンに生産拠点を持っている。そして、三菱自動車は2015年1月にマニラ近郊に新工場を開所し、現在3万台の生産台数を5万台まで引き上げる予定としている。そして、2016年2月1日、「CARS Program」への参加を表明した。
○ASEAN各国のコト
〔インドネシア〕
- インドネシア中央統計局が2月1日、1月の消費者物価指数を発表。前年同月比4.14%上昇 〈※インドネシア中央統計局の発表)
- 反テロ法違反者7人に禁錮刑判決(2月9日)。うち4人はシリアに渡り軍事訓練を受けていた 〈※関連記事〉
- 米配車サービス大手の「ウーバー」が首都ジャカルタで現金決済を始めた。クレジットカードを持たない利用者を取り込む。インドネシアではバリ、バンドン、スラバヤに続いて4カ所目。
- りっぽー・グループが昨年9月に5億ドルの予算で立ち上げた通販サイト「マタハリモール」強化に向けて、外資との提携を模索。4月までに提携先を発表するとのこと
〔シンガポール〕
- 観光スポットのセントサ島にデジタル・エンターテイメント施設「MOSH!」が2月4日にオープン。日本のクリエーターがデザインに参加 〈※関連記事〉
- 米国最長路線(飛行時間16時間20分)となるユナイテッド航空のサンフランシスコ-シンガポール便が6月1日に就航
〔タイ〕
- タイ携帯電話サービス3位の「トゥルー・コーポレーション」が最大600億バーツの増資。4G電波の高額調達にあてる 〈※関連記事〉
- タイ財閥大手のTCCグループがスーパーマーケットチェーン2位のビッグCのタイ部門を仏カジノグループから買収すると発表(2月8日)
- タイのセブンイレブンを運営するCPオールは、インサイダー取引に関与した副会長ら幹部の続投を取締役会で決定。「故意ではなかった」と判断
- タイ・米国共催の合同軍事演習「コブラゴールド」(第35回)が2月9日開催
- LCCの「タイ・エアアジア」が3月24日からラオス・ルアンプラバンとバンコク・ドンムアン空港を結ぶ便を毎日運航。片道990バーツから
- 医療・介護サービスを提供する「健康会」(札幌市)がタイ・バンコクに49%出資の合弁会社を設立。3月に美容サービスを始め、介護事業参入を目指す
〔フィリピン〕
- 格安航空会社(LCC)のセブ・エアは2015年の乗客数が前年比9%増の1840万人になったことを明らかにした。中東やオーストラリアを結ぶ長距離路線が好調だった
- 国営「ランド・バンク・オブ・ザ・フィリピンズ」と「フィリピン開発銀行(DBP)」との合併をアキノ大統領が承認。合併後は第2位に銀行に
〔ベトナム〕
- ベトナムの情報技術大手「FTP」が2016年の売上目標を前年比14.5%増の45兆7000億ドンに設定
〔ミャンマー〕
- 地元決済プラットフォーム運用「Red Dot」が1年で10,000店の登録を発表 〈※関連記事〉
- 「大統領選出は3月17日以降」と2月8日、国会が発表 〈※関連記事〉
- 燃料販売大手のミャンマー・エナジー・デベロップメントがマンダレーに内陸水運用の大規模給油施設を3月以降建設する
- ミャンマー中央銀行が昨年12月から始めた外国銀行向け営業免許の申請受付に5か国・地域の13行が応募していることが明らかに。3月末までに5行前後に免許交付か
〔カンボジア〕
- ホテルオークラが首都プノンペンに開業するホテルの運営受託契約を締結。40階建て複合ビルに250室程度のホテルを2019年に開業する予定で2015年2月に地元テホ・インターナショナルの不動産子会社と基本合意していた
○日系企業の進出
○各国の統計情報
- インドネシア中央統計局が2月1日、1月の消費者物価指数を発表。前年同月比4.14%上昇 〈※インドネシア中央統計局の発表〉
- タイ商務省が1月の消費者物価指数(CPI)(速報値)を105.46と発表(2011=100)。前年同月比で0.53%、前月比で0.26%下落。前年同月比マイナスは13カ月連続
- フィリピン中央銀行は2月11日、政策金利の4%据え置きを決定。据え置きは11回連続
- 2月15日
・フィリピンの2015年外貨送金額発表
・米ASEAN首脳会議開催(米カリフォルニア州サニーランドにて)(~16)
・タイ、10~12月期のタイGDP発表 - 2月16日
・「シンガポールエアショー」(シンガポール)(~2/21) - 2月17日
・インドネシア中央銀行理事会(~18) - 2月18日
・マレーシア、10~12月期のGDP発表 - 3月21日
・「バンコク国際モーターショー」(タイ)(~4/3)
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