2016年6月29日 〔フィリピン〕
フィリピン大統領選挙が5月9日に投票が行われ、ロドリゴ・ドゥテルテ氏(ダバオ市長)が第16代大統領に選出されている。選挙の投票率は81%で、ドゥテルテ氏の得票数は約1660万票(得票率39%)と、2位のロハス氏(同23%)に大差をつけて勝利した。新大統領は6月30日に就任演説を行い、7月の第4月曜日にあたる25日に一般教書演説を行う予定。ドゥテルテ新政権は下記の方針で政策運営を行っていくと言われている。
○主な発言
- 「今後も国家間条約を国際的な義務を受け入れていく」(2016年6月30日就任宣誓式)
- 「(差し迫った課題は)汚職と路上犯罪、違法薬物の蔓延への対策だ」(同上)
- ダバオ市長時代の強権的な犯罪対策への批判について「元検事として何が合法で何がそうでないか分かっている」
- 「(仲裁裁判所の判断が)フィリピンに有利なものであったとしても誇示すべきではない」
- 「政府への信頼が損なわれている。全ての政府機関、手続きに透明性を求める」
- 「我々は西側諸国の同盟」
○政策方針
- 外資規制の緩和を目的とした憲法改正や連邦制への移行
- アキノ政権の経済政策を引き継ぐ
- 汚職撲滅・治安向上ために「ダバオ・モデル」を全国展開
- 犯罪や麻薬取り締まり強化
- マニラ首都圏全土への監視カメラの設置
- 救急通報(911)の全国展開
- 行政の効率化により市民サービスの向上
- 肥満防止のために「ジャンクフード税」の創設検討
- 中国との南シナ海問題については中国からの経済支援と引き換えに「棚上げ」し、直接対話も示唆
- 仲裁裁判所から7月12日に出る、最終判断を待って今後の外交方針を決める。軟着陸を望む
- (ダバオ市長時代は)ミンダナオ島を中心とした分離・独立を求めるイスラム武装勢力との対話を優先課題に挙げてきている
- 米国や日本との関係は、両国どの同盟を重視したアキノ前政権の方針を引き継ぐ
- 沿岸警戒力向上のために海軍力を増強する
- 外資誘致や産業化を進めて地方経済の活性化を図る
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