インドネシアの地元メディア、コンパス・ドット・コム(KOMPAS.COM)によると、1月29日バリ島で行なわれた経済予測セミナーで、プスパヨガ協同組合・中小事業大臣が
「インドネシアがムスリム・ファッションの輸出王国になるだろう」
と発言した。
ムスリムとはイスラム教徒の事を言い、ムスリム・ファッションは女性向けのイスラム教義に合致したファッションのこと。
ヒジャブ・ファッションとも呼ばれています。
ムスリム・ファッションの最大の通販サイトは以下。
この数年の間に、ムスリム・ファッションがインドネシアでブームになっています。
私たちはイスラム教徒の服装というと中東のニュースなどで見かける真っ黒に覆われた衣装を想像しますが、インドネシアの場合が全く違っています。
カラフルな色使いと斬新なデザインで、いま世界中のムスリム女性から注目を集めています。
ムスリム・ファッションの特徴は、体の線がわからないようなデザインで、肌を露出せず、足首・手首から先と顔だけは出しても良いことになっています。髪の毛は見えないようになっています。
それ以外の規律はほとんどないため、髪の毛を覆うスカーフのデザイン、結び方、色使いなどは自由なので、インドネシアのデザイナーたちは今までにはなかった斬新なデザインを発表しているのです。
そして有名なモデル、タレントたちがムスリム・ファッションを楽しんでいることをテレビなどで知り、所得が向上した若い中間層でも購買意欲が高まり、ブームとなっているのです。
スカーフの結び方をyoutubeで教えている動画も人気です。
それは、男性からもムスリム・ファッションの方が従順で、おしとやかにみられ、いわゆる「モテる」一つの要因になっています。
実際に、ショッピングモールなどでも、ムスリム・ファッションをしている女性をよく見かけます。
女性のあくなき美の追求はとどまることはないでしょう。
日本からもデザイナーや服飾関係者は注目していますが、まだまだ少数。
ムスリム・ファッションにおいては、ブローチ、ブレスレット、バック、靴などの小物も多用されます。素材も綿、シルク、麻、化学繊維と様々です。
インドネシア人口2億5千万人の約9割を占めるムスリム市場に、日本のファッション業界が入り込む余地はまだまだあると感じています。
このインドネシアの服飾業界に入り込めば、世界人口の4分の1を占める巨大なイスラム教徒の女性たちに売り込むことができるでしょう。
出典:KOMPAS.COM(2015.1.30)より抜粋
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執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後、インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせは今すぐメールを!
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