連載「最新インドネシアビジネスニュース」(3)インドネシアの中学校に日本語教師を1,900人派遣

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インドネシアの地元メディア、リパブリカ・オンライン(REPUBLIKA ONLINE)によると、2月7日(土)ジャカルタ国際日本語スピーチコンテストにおいて、独立行政法人・国際交流基金の小川正氏が

「2020年までに、インドネシアに日本人の日本語教師を1,900人に送る」

とコメントし、賞賛を浴びた。

国際交流基金は芸術・文化及び日本語学習の支援をするための政府の出先機関である。
ASEANの発展とともに、2014年4月にアジアンセンターを立ち上げ、芸術、文化、日本語支援などの国際交流のをさらに推進している。

インドネシア第4期の「日本語パートナー」も現在募集中だ。
お問い合わせは日本国際交流基金(http://jfac.jp)まで。

日本語教師派遣は中学校で、日本語の授業を現地の先生とともにサポートする。
インドネシアには日本語を学ぼうとする学生は非常に多い。

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中学校、高校、大学と日本語の授業は頻繁に採用されているし、
どの言語よりも人気がある。

ただ、日本語を教えることできる先生は少ないのが現状だ。
特にネイティブスピーカーの先生はごくわずかしかいない。

日本語ができる人材は、先生になるよりも現地の日系企業に勤めた方が
給与がはるかに高くなるからです。

最近、日本のテレビ番組などで、アジアにおける日本ブームの話題をよく聞くが
インドネシアは特に人口が多いので、その高まりは異常なほどである。

インドネシアの若者は、小さい頃から日本のアニメを見ています。
ドラえもん、ドラゴンボール、ワンピース、ナルトなど
インドネシア語に翻訳されたテレビ番組をみたり、マンガ本を読んでいるのです。

最近では、AKB48のインドネシア版である「JKT48」がものすごい人気がある。
ジャカルタのショッピングモール・FXスディルマンに「JKT48」のシアターがあるが、
連日ファンが押しかけて、ファン同士で生写真の交換などを楽しんでいる。

実はこれだけ日本ブームで、日本語を学びたいという若者がいるにもかかわらず、
日本人のネイティブスピーカーがいる語学学校はほとんどない。

英語を教える学校はあっても、日本語を教える学校がないのだ。

現在日本語ができる人は、日本の大学に留学したか、
技能研修生として日本に3年ほど行ったことがある人だ。

私の経験から、通訳や翻訳として実際に日本語を正しく理解できる人は
日本語能力試験の「N2」以上のレベルです。

しかし、この「N2」というレベルはかなり難しい。
だから「N2」のレベルに達するまでに数年という時間とモチベーションが必要になる。

単純に「日本のアニメが好き」とか「日本に行ってみたい」
といった理由ではモチベーションは続かないからだ。

日本語を短期間で学習し、「N2」レベル取得に特化した日本語学校が
あれば、生徒は殺到するだろう。

それは、日本企業で働くことができ、さらに給料が跳ね上がるからだ。

つまり、日本語習得と日系企業就職を組み合わせれば、
ビジネスチャンスが十分あると私は思う。

その前段階として、国際交流基金の「日本語パートナー」に
参加することも良いだろう。
すると、現地の状況を肌で感じることができるからだ。

出典:REPUBLIKA ONLINE(2015.2.7)より一部抜粋

 

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執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせは今すぐメールを!
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