ミャンマー「ロヒンギャ問題」に関する最近の動き

2018年11月24日 

○ロヒンギャ難民の帰還始まらず

 バングラデシュに逃れたミャンマーのイスレム系少数民族ロヒンギャの帰還が始まらない。バングラデシュに逃れた難民数は約70万人。ミャンマーとバングラデシュの両政府は11月半ばから機関を始める方向で準備を進めたが、難民自身が帰還を拒んでいる。

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 両政府が難民の帰還についての枠組みに合意したのは昨年で11月23日で1年になる。10月末には、政府間で帰還開始を確認し、第1陣として約2250人の帰還者リストを作っていた。

 しかしながら、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が行った意思確認作業では、いずれの対象者も帰還を拒んだという。期間開始予定日の11月15日には、難民キャンプで大規模デモが発生し、バングラデシュ政府は帰還希望者がいないとして帰還開始を断念した。

 難民が帰還に応じないのは、ミャンマーでの無国籍状態が解消されたないことが大きな理由になっている。ミャンマー政府はロヒンギャを英国統治時代の侵略者とにみなし、自国民族と認めていない。アウン・サン・スー・チー国家顧問も、国籍問題については現行法に基づいて対応するとしている。

○各国・各機関の動き

 11月13日、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明で、ミャンマーのロヒンギャ迫害問題について「帰還のプロセスをとるミャンマーを支援する」と指摘しながらも、初めて「懸念事項」として明記された。

 首脳会議ではインドネシアのジョコ大統領が「人道危機を解決するために(ASEANは)一歩前に進むべきだ」と発言している。

 また、マレーシアのマハティール首相も11月13日、ロヒンギャ問題の解決について消極的なアウン・サン・スー・チー国家顧問に対し「非常に落胆している」と批判し、ミャンマーに早期解決を求める考えを示している。

 

 ペンス米副大統領は11月14日、シンガポールでミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と会談した。ミャンマーのロヒンギャ迫害問題を巡り「バングラデシュに70万人の逃亡をもたらした軍隊や自警団による暴力や迫害は、言い逃れできない」と批判した。

 

 11月16日には、国連総会で人権問題を扱う第3委員会(人権)が、ミャンマーのロヒンギャ迫害を非難する決議案を賛成多数で採択した。決議案はイスラム協力機構(OIC)と欧州連合(EU)が共同で提出し、142ヶ国が賛成。中国、ロシアなど10ヶ国が反対し、日本を含む26ヶ国が棄権した。

 日本は棄権理由として「ラカイン州の平和と和解を推進するためには、ミャンマーが自身で信頼性と透明性のある調査をすることが重要だ」と述べている。

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〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

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