米司法省「1MDB」事件でゴールドマンの元幹部を起訴

2018年11月24日

 マレーシアの政府系ファンド「1MDB」の資金不正流用事案を巡り、米司法省は11月上旬、米投資銀行大手ゴールドマン・サックス・グループもの行員2人を起訴したと発表した。

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 起訴されたのは、ゴールドマン・サックスの元東南アジア事業責任者ティム・ライスナー被告と元幹部ロジャー・ウン被告。外国公務員への賄賂を禁止する海外腐敗行為防止法違反の罪などの容疑。

 マレーシア側で資金調達主導したとされ現在海外逃亡中のマレーシアの華人系実業家ジョー・ロー被告とともに、数十億ドルにのぼる1MDBの資金洗浄を企て、マレーシアとアブダビの政府高官に賄賂を支払ったという。

 ライスナー氏は起訴事実を認め、4370万ドルが没収されることとなった。同氏は2016年にシンガポール金融通貨庁(MAS)から、シンガポールでの証券関連活動を事実上10年間禁じる処分を下されている。

 米司法省によると、ゴールドマンは2012年から13年にかけて60億ドルを超える1MDBの債券発行を引き受け、約6億ドルの手数料を得た。そして、債券引き受けなどの案件獲得の目的で、政府高官への贈賄が支払われた。また、贈賄以外にも、ニューヨークの不動産や美術品の購入に資金が不正に流用され、横領総額は27億ドル以上にのぼると指摘している。債券発行で調達した資金を、実態のない複数のペーパーカンパニーの口座に移し、賄賂や不動産購入費などに充てていたとされる。

 一般的には債券発行額の0.2~2%程度が債券引受手数料の相場といわれているなか、10%近い手数料を得ていたことに当時から疑問の声が上がっていた。

 さらに米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、ゴールドマンのロイド・ブランクファイン前最高経営責任者(CEO)が、2009年と2013年にるロー被告と2回にわたり面会していたと報じた。この面会はナジブ前首相とブランクファイン氏を引き合わせるために設定されたものだったという。組織ぐるみでの犯罪の可能性も浮かび上がっている。

 この事実を受け、マレーシア政府がゴールドマン・サックスへの圧力を強めている。マハティール首相は米CNBCテレビが11月13日に放送した番組で、「我々はゴールドマン・サックスにだまされた」と非難した。マレーシアは1MDBの債券発行で同国がゴールドマンに支払った手数料を返還するよう求めている。

 

 

 1MDBはナジブ前首相の主導で2009年に設立され、2012年~2013年に約65億ドルの資金を調達し首都の再開発などに投資してきたが、ナジブ前政権の汚職の中心舞台となっており、総額45億ドル以上の不正流用の疑いが浮上しており、マハティール政権は全容解明を急いでいる。

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〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

 

 

 

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