連載「最新インドネシアビジネスニュース」(10)超簡単!現地ですぐ使えるインドネシア語フレーズ15選

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バリ島に旅行する時やビジネスでインドネシア人と話す機会がある時、
インドネシアの公用語であるインドネシア語で、少しでも話ができると
グッと親近感を持って接することができて、人間関係も良くなります。

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日本にいても、外国人からいきなり英語で話しかけられるより、
片言でもいいから、「あの~、すみませんが・・・」と日本語で話されると
「なんとか助けてあげよう」とか「きちんと教えてあげよう」
という気持ちが働きますよね。

インドネシ_アに行った時も同じで、簡単な英語である程度は通じますが、
コミニュケーションをさらに向上させるためには、少しでも現地の言葉を使うと
相手も親身になってくれますし、私たちも自然と笑顔になります。

そこで今回は、すぐに覚えることができる超簡単な厳選16フレーズをエピソード
を交えてご紹介します。


1. スダ (Sudah)「すでに、もう」「完了している」

インドネシアの空港に到着し、入国審査、荷物検査が終わりゲートを
出た瞬間から、いろいろな人が英語や日本語で話しかけてきます。
現地で誰かが迎えに来ていればまだいいのですが、荷物を運ぶポーターや
タクシーの運転手がしつこく誘ってきます。

それを断る時に使うフフレーズが「スダ!」です。
「スダ、スダ!!」と2回繰り返して、ちょっと大きめの声で言えば、
しつこい勧誘してくる人たちを追い払うことができます。
意味は「すでに終わっている」という完了の意味で、この場面だと「もう、いい。いらない」
という雰囲気を出せます。
それでもしつこく言ってきたら、何度も「スダ、スダ!」と繰り返せばいいのです。

ビジネスの場合だと、「この仕事は終わったのか?」という質問に対して
「スダ」だと、「もう終わった」ということになります。
「まだ終わっていない」場合には「ブルーム」(Belum)と言ってきます。


2. ク~/ダリ~ (Ke ~/ dari~)_「~へ/~から」

車が交通手段の大半を占めるインドネシアでは、タクシーは欠かせません。
おススメは、ブルーバードタクシー(BLUEBIRD)です。車体がブルー(青色)をしている
ニセのタクシーもあるので、窓口で行き先を告げて料金を払うか、正規のブルーバード専用の
乗り場で待ちましょう。

その行き先を告げる時のフレーズが 「ク 場所」で「どこ(場所)へ行ってください」です。
例えば、ヌサドゥアに行きたかったら 「ク ヌサドゥア」だけで通じます。
クラウンプラザホテルなどのホテル名などでも「ク クラウンプラザホテル」と
代表的なホテルなどであれば、理解できます。

それでも伝わらない場合は、その場所が書いてあるガイドブックや地図を見せて、
「ク イニ」(ここへ)と指を指せばわかります。

タクシーに乗り込むと、ほとんどの運転手が聞いてくることは
「どこから来たの?」という質問です。そのフレーズは
「ダリ マナ?(Dari mana?)」「どこから来たの?」

これが聞こえたら、答えは、
「ダリ ジュパン」(日本から)。
インドネシアでは日本のことを「ジャパン」ではなく「ジュパン」と発音します。


3. ブカン~(Bukan~)「~ではない/~ない 」

タクシーで到着したところが明らかに間違っている時には
「ブカン イニ!」(Bukan ini!)「ここじゃない!」というフレーズを使います。

「イニ」は「ここ」「これ」という意味です。「ブカン」の後に名詞をいれると
「~ではない」ということになります。英語のNo~, Non~の使い方とほぼ同じです。

ホテルであれば、「ブカン ホテル イニ」「このホテルじゃない」。
買い物の時にも、食事を注文した時にも、「ブカン イニ」「これじゃない」。

もう一つの否定形として、「ティダ」(tidak)があります。
「ティダ」の後に動詞がくると、否定するフレーズになります。
英語のdon’tにあたります。


4. マウ~(Mau~)「したい、欲しい」

タクシーの乗った場合には、「ク ヌサドゥア」でもいいのですが、
もっとはっきり行き先を告げたい場合には
「マウ ク ヌサドゥア」だと「クタに行きたい」となります。
英語の want の意味になります。

買い物の時に、「これが欲しい」なら「マウ イニ」、
お店の人に「これはどう?」と言われて、欲しかったら「マウ~」だけでもいい。

あまり欲しくない場合は、先ほどの否定形を使って
「ティダ マウ」(欲しくない)といえばまた違う物を出してきてくれます。
ファーストフードでも、「ポテトも一緒にいかがですか?」だったら、
「ティダ マウ」(いらない)ときっぱりと言えます。


5. ブラパ?(Berapa?)「いくつ?、どのくらい?」

「いくつか」「どのくらい」を聞く時に使います。
これは状況によって使い方が少し違います。

値段交渉をしている時に使うと「ブラパ?」は「いくらですか?」になり、
料理の注文の場合、ウェイトレスの人から「ブラパ?」と言われたら、
「この料理はいくつ欲しいですか?」です。
その時には1、2、3とかの数字を英語で「ワン」「ツー」「スリー」
と答えれば通じます。

「どのくらいの時間がかかるのか?」は「ブラパ ラマ?」
「どのくらいの値段なのか?」「ブラパ ハルガニャ?」
も覚えておくと便利ですね。


6. マハール(Mahal)「(値段が)高い」

値段を聞いて、自分の想像した値段より高かったら「マハール!」と言いましょう。
値段交渉の時には、このフレーズで交渉しましょう。

ビジネスでも、「イニ マハール!」は「これは高いよ」という意味になり
価格交渉が始められます。


7. ビサ クラン?(Bisa kurang?)「まけられる?」

値段交渉の時によく使う「ビサ クラン?」は「まけられる?」「安くできる?」
と言った意味です。「マハール!」と「ビサ クラン?」で交渉し、もうこの値段で
いいと思ったら「オーケー」と言えば、交渉成立です。

クランの意味は、「足りない、不十分、あまり~でない」という意味で、
あるところに「達していない」ことを言います。


8. エナック!(Enak!)「美味しい、気持ちがよい」

海外での食事は楽しみの一つですが、「美味しい~」と店員に伝えると
もっと楽しくなりますね。
そんな時使うフレーズが「エナック」。
「エナック」と「ナ」にアクセントをつけると、もっと感情がこもります。

この「エナック」は、「楽しい」「気持ちがいい」という時にも使えます。
「この風が気持ち良い」は「アギンニャ エナック」
アギンは「風」で、アギンニャは「この風」のことです。

「このホテルは心地よい」「ホテル イニ エナック」
スパやマッサージの時、気持ちよかったら「エナック!」と言えば、
マッサージをしてくれている人からも親密に感じられ、楽しくなりますね。

ただ、ちょっと思ったよりも美味しくなかったり、気持ち良くなかった場合には、
「クラン エナック」(Kurang enak) と言いましょう。

完全否定の「ティダ エナック」だと「おいしくない」「楽しくない」ではなく
「マズい」「つまらない」というニュアンスになるので注意してくださいね。


9. ミンタ ボンニャ(Minta bonnya!)「お勘定!」

食事も終わったので、支払いする時によく使うフレーズです。
インドネシアではレストランなどの会計は席についたままおこないます。

ですから「ミンタ ボンニャ」とウェトレスに言えば、明細表を持ってきてくれので、
その場で支払いをします。お釣りも席まで持ってきてくれます。
チップは料理代などの10%を目安に置いていってくださいね。

ただ、「ボン」(bom) だけだと「爆弾」という意味になってしまうので
気をつけてください。


10.マニス!(Manis!) 「甘い、チャーミングな、可愛い」

買い物をしている時、「カワイイ」ものを見つけた時に言うフレーズが「マニス!」。
カワイイ洋服、小物、宝石、などにも使えます。
ケーキなどのスイーツや飲み物の場合は、意味が違ってきて、味が「甘い~」になります。

つまり小さなカワイイお菓子を、”見たとき”に「マニス!」はカワイイという意味で、
”食べたとき”に「マニス!」は、味が「甘い」という意味になります。

この「マニス!」は、カワイイ動物や、小さな子供にもにも使えます。
ただ、綺麗な女性には、「チャンティック」(Cantik)を使ったほうが効果的です。


11.バグース!(Bagus!)「素敵な、上等な、素晴らしい」

素晴らしい舞台や景色に感動した時には、この「バグース!」がおすすめフレーズ。
バリダンスを見た後で、感激した時はまさにこの「バグ~ス!」という表現です。

洋服を試着した時にも、店員さんからだぶん、「バグ~ス」と言われるかもしれません。
ホテルの雰囲気、サンセット、風景にも「バグース!」です。
すごく素晴らしい、やさしくて良い彼氏だったら、「バグース」というのもいいですね。


12. アダ~(Ada~)「ある、いる、存在する」

買い物などでは、「~はありますか?」という時には「アダ~?」。

靴などでは、「アダ スモール?」と、英語とインドネシア語が混ざってもいいんです。
「小さいサイズの物 ある?」という表現です。
Tシャツでも、「アダ ビッグ?」であれば、「大きなサイズある?」

ホテルなどには「アダ スパ?」で「スパはありますか?」
「アダ プール?」「プールはありますか?」
「アダ スーパーマーケット?」「スーパーマーケットはありますか?」
レストランなどでの食事の時「アダ コピ?」「コーヒーありますか?」
でも通じます。コーヒーのことを「コピ」(kopi)と発音します。

13.オォ、ブギトゥ(Oh,begitu)「そうなんだ」

相づちを打つ時によく使うフレーズ「オォ、ブギトゥ」「そうなんだ」。
「もう、まけられません」と店員が言ってきたら、「オォ、ブギトゥ」と
ちょっと納得いかないような顔する時にはいいフレーズです。

初めて知った時とかにも使えます。
「ここへは、歩いてしか行かれません」と言われた時にも
「オォ、ブギトゥ」で返事できます。


14. スラマット パギ/シアン/マラーム(Selamat pagi/siang/malam)

定番の挨拶です。
「おはようございます」は、「スラマット パギ」
「こんにちは」は、 「スラマット シアン」
「こんばんわ」は、 「スラマット マラーム」

時間帯ははっきりしていませんが、目安として朝10時ぐらいまでが、「パギ」
10時ごろから日没までが「シアン」、夜は「マラーム」となります。

もう何度も顔を合わせている人だったら、スラマットを除いた
「パギ~」「シア~ン」「マラ~ム」だけでも良いし、より親密な関係になります。


15.プルミッシー(Permisi~)「失礼します、すみませんが、~」

道や場所を尋ねる時、お店に入る時にも、最初に発する時に使える「プルミッシー」。
「プルミッシー、~」で始めると、丁寧な表現になるので便利です。
よく日本人が使う「すみませんが、~」という表現にピッタリです。

辞書で引くと、「すみません」は「Maaf」になっていますが、これは「ごめんなさい」と
自分の非を認めて謝罪する表現になります。
この「マーフ」はインドネシアに長年いましたが、ほとんど聞かれません。
それは自分の過ちを認めることが少ないからだと感じています。

旅行のなどの時には、日本語で「すみませんが、~」というフレーズが頭に浮かんだら
「プルミッシー」がピッタリする表現だと思ってください。


16.トゥリマカシ(Terima kasih)「ありがとう」

感謝を表す表現の代表で、「ありがとう」という意味です。
地方によってすこし発音が異なりますが「トゥリマカシ」と一気に発音します。
「テレマカシ」と発音するところもあります。
いずれも意味は同じで「ありがとう」の意味なので、全ての場面で多用できます。

もし、「トゥリマカシ」と相手から言われた時に返す言葉が、
「サマ・サマ」(Sama-sama)で、「私も同じ気持ちです」という意味になります。
「ありがとう」と聞こえたら「お互いサマ・サマ」だと覚えれば簡単です。

まとめ
外国に行ったら、やはりその国の言葉を試してみることも旅の楽しみの一つです。
その言葉から、いろいろな文化が垣間見ることができますし、現地の暮らしを体験
することは友好関係を深めるためにも大事です。
今回は初めてインドネシアに行く場合を想定して、超簡単なフレーズをご紹介しました。

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〔 超簡単!すぐ使えるインドネシア語フレーズ15選 〕

1. スダ (Sudah)「すでに」「もう」
2. ク~/ダリ~ (Ke ~/ dari~)_「~へ/~から」
3. ブカン~(Bukan~)「~ではない/~ない 」
4. マウ~(Mau~)「したい、欲しい」
5. ブラパ?(Berapa?)「いくつ?、どのくらい?」
6. マハール(Mahal)「(値段が)高い」
7. ビサ クラン?(Bisa kurang?)「まけられる?」
8. エナック!(Enak!) 「美味しい、気持ちがよい」
9. ミンタ ボンニャ(Minta bonnya!)「お勘定!」
10.マニス!(Manis!) 「甘い、チャーミングな、可愛い」
11.バグース!(Bagus!)「素敵な、上等な、素晴らしい」
12. アダ~(Ada~)「ある、いる、存在する」
13.オォ、ブギトゥ(Oh,begitu)「そうなんだ」
14. スラマット パギ/シアン/マラーム(Selamat pagi/siang/malam)
  「おはようございます/こんにちは/こんばんは」
15.プルミッシー(Permisi~)「失礼します、すみませんが」
16.トゥリマカシ(Terima kasih)「ありがとう」

執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせはメールでお願いします。
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