連載「最新インドネシアビジネスニュース」(16)MLMは詐欺か?インドネシア人の評価と投資

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多くのインネシア人は「マルチ・レベル・マーケティング(MLM)は詐欺だ」という評価だ。私のインドネシアの友人も、以前MLMをやっていたが、本当に大変だし、友達を失う結果しか得られなかったという話を聞いていた。しかし、現地では化粧品・健康食品などはMLMによって販売されているのが現状だ。

今回は、2015年7月3日、地元新聞のコンパス・ドット・コム[kompas.com]より、MLMの記事をご紹介する。記事を書いたのが、リャン・フィルバート氏で、投資専門の実業家で著作も多い。

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興味深いのは、インドネシア人がMLMを始めるためにどんな事に注意したらよいか、という視点で書かれていることだ。ぜひ、この記事を参考にしてあなたのビジネスの展開を考えてほしい。
[http://bisniskeuangan.kompas.com/read/2015/07/03/130000726/Mengenal.Bisnis.MLM]

MLMビジネスを知る
リャン・フィルバート(Ryan Filbert)

MLM(マルチ・レベル・マーケティング)は最後には詐欺となる一つのスキームだと叫ぶ人は少なくない。結局のところ、MLMは詐欺と同じという烙印を押されている。それどころか、投資も詐欺と同じという烙印も押されている。そのため投資やMLMということが臭ってくると、多くの人が避けようになっている。

このような状態ではあるが、私は「MLMと投資は同じではない」とはっきり言う必要がある。
まずは今回、MLMに関して、少し議論をしてみたい。

MLMという名を使って多くの詐欺がはびこり、この方法が社会のまなざしから醜い烙印を押されてしまったのだ。

MLMはある一つの販売レベルの方法だ。例えば、私が歯ブラシを持っているとしよう。普通の歯ブラシの販売は、私が売って、あなたが買う。あなたが買った時には、私が利益を得る。

もし、あなたが買った歯ブラシを売りたい時はどういうことをするだろうか?

もちろん、利益を得るために、あなたが買った値段より高い値段で売らなければならない。または、ある一定の利益が得られるように買う時に値引き交渉する。そうでしょう?

しかし、こんな時はどうするだろうか?

あなたが私からは歯ブラシを買う。私は「あなたが他の人に歯ブラシを販売すると利益があるよ」という情報を伝える。その利益は私からではなく、歯ブラシを作っている会社からもらえる。そして、あなたが製品を売った時には、あなた”だけ”に利益があるのではなく、あなたを紹介した私にも利益が得られる。

これは販売レベルの基本的なスキームの一つだ。すなわち、あなたが購入または実際に販売するすべての製品について利益があり、紹介した私にも利益があるということだ。

それどころか、利益は”あなたに”製品を紹介した人だけでなく、”あなたが”製品を紹介した人(子供と呼ばれる人)も計算に含まれるのだ。あなたに製品を紹介した人は”父”と呼ばれ、”父”に紹介した人は”祖父”と呼ばれる。

あなた(子供)が製品を売った時、”父”と”祖父”もきちんと利益を得る。そして、今度はあなたが”父”となるために、他の人に製品を買わないかと声をかけるのだ。マルチ・レベル・マーケティングの内部はネットワークあるいはレベルの深さだと知られているのだ。

では、詐欺との関係は何だろうか?

会社としてはきちんとあなたが販売した歯ブラシの利益が計算されているし、利益が分配されていて問題ないよね?

MLM方式においての現実は、会社が販売者たちに利益を分配するような無駄使いはしていないのだ。逆に、流通費用と販売・広告費の節約をしているのだ。これらの費用は、ものづくりビジネスでは大きなコストを占めるからだ。

MLMが抱えている最初の問題は、彼らがマルチレベルビジネスをしたことがなく、「利益が得られるよ」という約束をばらまいているだけだからだ。

もしあなたがMLMに取り組みたい時には、いくつか簡単なチェックをしてほしい。

1.会社は直接販売事業許可書(SIUPL: Surat Ijin Usaha Penjualan Langsung)を保有しているか?

商取引事業許可書(SIUP: Surat Ijin Usaha Perdagangan)や会社登録証明書(TDP: Tanda Daftar Perusahaan)ではない!

多くの人は、MILMの会社を設立するために直接販売事業許可書(SIUPL)の所有が必要だということを知らない。そして、一つの製品ごとにSIUPLが付与されているということも注意する。

例えば、ある会社で製品Aと製品Bがあり、製品AにはSIUPLが付与されていて、AとBをMLM方式で販売すると、実は製品Bは違法ということになる。

2.製品はあるか?

MLMビジネスにおいて、形のある製品を保有していなければならない。製品は、本、コンピューター、石けんなど、MLMの販売本社にあればなんでもいい。

もし製品がない場合は、なぜ無いのかを細かく聞く必要がある。それは、MLMというサービスがまだ確立されていないので、政府としてはとりあえずSIUPLを発行しているからだ。そして、この件について投資調整庁に尋ねることもできる。(http://www4.bkpm.go.id/)

あせって販売に参加してはいけない!

覚えておいて!。あなたがMLM製品を販売する時、”あなた自身”が購入者に対して売らなければならない。すると、もしその製品に問題があったとき、販売に参加しているあなたは”共犯者扱い”されていしまうからだ。

3.会社はどこから利益を得ているか計算する

もしライバルの製品に興味がなかったとしても、成功している会社がどこから利益を得ているか調べてほしい。一般的にMLM製品は、同じ種類の製品と比較して値段が高いからだ。

その他に注意することは、その会社が新しい販売員(会員)の募集を止めた時には、会社を続けられるだろうか?ということ。つまり、潰れる可能性が高いということ。

さらに、MLMシステムの弱点を学んでほしい。

現在では、ネット社会なのでたくさんの情報から学ぶことができるからだ。
例えば、完全なシステムは存在しないので、どうすれば利益を最大化できるだろうかと調べる。

最後に、すべてのインドネシア人は、それぞれのビジネススキームを正しく、細心の注意を払って行ってほしい。そして、私たちの国がきたる未来により良くなるように投資をしてほしい。

インドネシアのために投資しよう!

著者:リャン・フィルバート プロフィール

リャン・フィルバートは、インドネシアの実業家とインスピレーター。リャンは18歳から投資と金融に関する試みを始めた。

様々な投資ツールと製品を使い、運用した。預金から初め、債権、投資信託、株式、オプション取引、ETF(Exchange Traded Fund)、CFD(Closed End Fund)、外国為替、ビジネス、不動産までおこなった。2012年よりリャンは実業家への過程と知識について書き始めた。

以下著作。
・Investasi Saham ala Swing Trader Dunia, Menjadi Kaya dan Terencana dengan Reksa Dana,”
(世界のスウィングトレーダー_流株式投資、投資信託計画でお金持ちになる)

・Kiat Menghindari Kejahatan dalam Dunia Investasi”
(世界投資で悪事から避ける秘訣)

・Hidden Profit from The Stock Market, Bandarmology ”
(ストックマーケットより隠された利益、バンダルモロギー)
・Rich Investor from Growing Investment.”
(成長する投資からリッチ投資へ)

2015年、リュン・フィルバートは2冊の新しい本を発売した。
・Passive Income Strategy
(パッシブ・インカム戦略)
・Gold Trading Revolution.
(ゴールド・トレーディング革命)

毎月、リュン・フィルバートはインドネシアの様々な都市での投資教育クラスとセミナーをしている。
リュンの大きな希望は、世界の投資と金融の”知識”を、多くのインネシア人に投資を知る教育をして、少しでも明るい道を与える事だ。

まとめ

いかがだっただろうか?インドネシアでビジネスをするには、現地の人がどんなことを考え、どんなことに不安を感じ、そして、どういうことをしようとしているのかを知ることは大事なことなのだ。事件や事故のニュースばかりを追いかけていると、現実が見えなくなってきてしまう。

最近ではこういった記事をリアルタイムで読むことができるのだが、私たちは、情報社会においては、重要な情報を探す”スキル”が必要なのだ。目先の利益にとらわれずにスキルを磨き、価値を提供していくこと。これが私も含めて日本人に求められることだと思う。

こんな情報がほしいというのがあったら、ぜひ連絡してほしい。

執筆:島田 稔(しまだ・みのる)
大手電機メーカーの技術者としてインドネシア在住9年。その後インドネシアで独立し現地法人を立ち上げる。2冊商業出版し、現地企業や宗教家などと太いパイプを持つ。現在はセミナーや執筆、翻訳、進出企業支援を行なう。お問い合わせはメールでお願いします。
langkah.pasti3@gmail.com

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分類 ◇連載:『最新インドネシアビジネスニュース』