[連載] 「カンボジア、いま 2015」     (5)日本人起業家とカンボジア和僑会

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今回の視察は日本人起業家の動きにも注目をしていた。ここ3年で日本からの起業家のプノンペン入りは10倍ほどに伸びているという。これは「チャイナ・プラス・ワン」と言ったチャイナリスクに備えての中国以外の生産拠点拡大が理由の場合もあれば、海外進出最初の国としてカンボジアを選ぶという場合もある。カンボジアには日本人・日本企業が経営するホテル・リゾート・人材紹介会社・地域開発・飲食店・美容院、エステティックサロン、、、今がチャンスとばかりにカンボジアンドリームを追いかけが日本人が増えているという。今なら「カンボジア初の○○○」になれるのだ。しかしながら、夢を追いかけてこの地に来たものの、事業に失敗して所持金をすべて失う日本人もいるという。20代の若者に多く、かつ、日本に帰国せずにこの国に群れて住んでいる場合もあるという。

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2016年には日本語の通じる救急対応可能な総合病院ができる。これまでも日本語の通じる総合病院や歯科医院はあったそうだが、道路インフラ整備遅れや交通事情の悪いプノンペンを思えば、英語が苦手なままでカンボジアに来ている日本人にはICUで日本語が通じるのは重要事項だ。これからカンボジアに進出予定の方はご安心ください!05-03

カンボジアでビジネスをする日本人起業家は大きく分けて二つのパタンがある。一つは現地の日本人起業家どうしで情報交換・助け合いをしながら頑張るグループと、もう一つは日本人にはあまりかかわらず、現地の信頼できる人を探してビジネスを推進する人々だ。後者は一匹狼的な存在であるが、日本人をだます日本人が増えてきていることから、リスクヘッジと考えるのも妥当だと思う。

カンボジア和僑会は2013年4月に
1.和を持って貴しと為す。思いやりを持って人に接する。
2.共存共栄、相互扶助
3.地域社会への貢献

という理念の下、海外に軸足をおいて活動する日本人やグローバル志向な日本人、 また日本および日本人に関心の高い人が、華僑の結束力に倣いながらも 日本人の良さを結集して人生を活動し、社会貢献をしていこうという 和僑会カンボジアを首都プノンペンに設立された。今回は私のようなオブザーバー参加も含め50人の日本人起業家が集まった。05-04名古屋和僑会の面々もカンボジア視察に来て、会合に参加していた。この日は新入会員の挨拶と会員の1社がミニプレゼンをするというものであった。ミニプレゼンは現地でのマイクロファイナンスと学校にトイレを寄贈するプロジェクトの話。私の感じたおもしろトピックスはふたつ。マイクロファイナンスは、借りたお金を本人が返せない場合は親戚が返してくれるので回収率は97%という高さであること。1500万人しかいない国なのに、銀行以外に少額融資事業を行う団体が37社あるそうだ。そして、この国のトイレ事情。学生数に学校数が足りていないため、学校は午前・午後で生徒を分けての授業というこの国には学校トイレが非常に少ないということ。学生は授業が1日3時間ほどしかないので、学校のトイレを使うことが少ないのだが、学校の先生はトイレが少なすぎて大変とのこと。そのトイレを寄付するNPOを行っているという話だ。トイレには寄付をした企業名がつけられるのだが、なんだか不思議な気がした。

街という観点では、カンボジアには中華街がない。05-05ちまたでは中華街の無い国はないといわれているのだが、内戦時に中華街は破壊されてしまったそうだ。中華街を見習うわけではないが、プノンペンには絆ストリートという通りができた。平たく言えば日本企業の商店街で、通りの左右に出店しているのが日本企業だ。居酒屋、ペットショップ、ケーキ屋さん、、、と次々と日本のお店ができている。プノンペンの街はゴミだらけで、人々はポイ捨てするのがあたりまえの状況だ。しかしながら絆ストリートは出店企業が当番で道路掃除をするので、非常に清々しい。この状況では道行く人はゴミを捨てにくいのだから、プノンペン全体に定着すれば本当に素晴らしい。この地域開発は商店街だけではなく、日本企業の入る高層ビルも視野に入れているというからさすがである。

もしもカンボジア進出を考えるのであれば、一度プノンペンの和僑会メンバーに声をかけることをお勧めする。会員全員がカンボジア人さながらの笑顔で、あなたを待っています。05-06

 

著:有澤和歌子(ありさわ・わかこ)
wombプロジェクト代表、idiscover設立準備中
 旅行・海外出張で50か国を訪問。近年はアジア、特にASEAN・中国を中心に活動。富士通ではマーケティング、ITベンチャーのホットリンクでは広報責任者として従事した。自身の晩婚・不妊治療・高齢出産の経験より「卵子の老化」を若者に伝えることがライフワーク。富山県出身、青山学院大学経営学部卒。

 

 

 

 

 

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分類 ◇連載:カンボジア、いま