[連載] 「カンボジア、いま 2015」     (6)日本・中国・韓国

 

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今回の視察では二つの大学を見学した。一つはロイヤルプノンペン大学、もう一つはキリロム工科大学だ。キリロム工科大学の学生と話をした際に、「どこの国に行ってみたいか」を聞いたところ、1位よりシンガポール・韓国・日本の順。昨年2014年6月にAEONができるまでは、日本はこの順番にははいっていなかったそうだ。また、

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ビザの関係から、欧米諸国は行きたい国には入らない。それらの国には行けないことを前提に考えているらしく、日本の学生には考えられないことだ。日本国籍であることのメリットを知る日本人学生はもう少し自分の幸福度合いを考え、利用すべきであると感じた。

06-0106-02プノンペン市内で王宮(ロイヤルパレス)や独立記念塔(インディペンデントモニュメント)を通ってメコン川の方に進む。右側通行のカンボジアで川を渡る時に通るのが「きずな橋で」、開通記念紙幣として500リエル札が発行された。カンボジアの国道7号線は主要幹線のひとつで、メコン河により東西に分断されていたのだが、日本の無償資金協力によってメコン架橋が建設され、2015年4月に開通したのだ。この橋によって農作物産地の東北地方から首都までの交通事情が大幅に改善されたそうだ。

ところが、その真横に中国が同様の橋を架けた。行は日本のきずな橋、帰りは中国の橋を通ったのだが、見た目にはどちらも同じ。二つの橋は各々一方通行となっており、上りと下りの道路として利用されている。プノンペンの市民は、06-03どうせだったら後から建設された中国の橋はもっと上流にあったほうがありがたかったのに、、、というオハナシである。

さて、リバーサイドは中国援助の埋め立て・開発工事でにぎわっていて、トラックも看板も中国語でいっぱいなあった。大型結婚式場や、商業施設、遊園地など、ウオーターフロント開発は中国の独擅場である。

06-04リバーサイド見学の後は、いつかは旧市街となってしまいそうなセントラルマーケットに足を運んだ。外見・建物は新しくはなっているものの、中に入ると22年前と変わっていない。一部の陳列商品はiPhoneやデジタルカメラなどの関連商品になっていたが、宝石・衣料・生活雑貨が所狭しと並んでいる。ガイドをしてもらったカンボジア人から宝石は買わないようにと注意を受けた。値切らなくても、06-05店員は第一声の半額以下の値で私を引き留めようとする。夫06-06から「お土産は無理して買わないで欲しい」と言われたので、自分用のブレスレットを一つだけ買った。銀メッキのそれは2ドル。祭壇にお供えする花も売っていて、それは昔のままであった。

街を歩いていて、韓国の商業館のようなところがあったので涼みがてら入ってみた。私が入館したらあわてて冷房をいれる。06-07韓国製品の展示会場のような場所だったのだが、06-08建物に一歩はいったところに「竹島は韓国領」と書かれた看板などがあった。韓国は海外でもこんなPRをしていたのね、と驚いた。

これまでタクシーの中からしか見たことのない独立記念塔に行ってみた。06-0906-10徒歩で行ったので、塔に上がる階段を登っていったところ、警備員らしい女性に「no!no!no!」と言われ、かつ、シッシッといった手ぶりをされた。入ってはいけなかったようだ。面白かったのは、彼女が女の子を連れていて、その子が母と一緒にno!と叫び、かつ、シッシッと私を追い立てるのである。

大変失礼いたしました。

著:有澤和歌子(ありさわ・わかこ)
wombプロジェクト代表、idiscover設立準備中
 旅行・海外出張で50か国を訪問。近年はアジア、特にASEAN・中国を中心に活動。富士通ではマーケティング、ITベンチャーのホットリンクでは広報責任者として従事した。自身の晩婚・不妊治療・高齢出産の経験より「卵子の老化」を若者に伝えることがライフワーク。富山県出身、青山学院大学経営学部卒。

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