ミャンマーで為替レートが管理制に逆戻り

2021年8月10日 〔ミャンマー〕

 ミャンマー中央銀行は8月9日までに、通貨チャットの対米ドル参考レートを中銀が定める管理フロート制度に移行した。2月の国軍によるクーデター後、下落してきている通貨チャットの下落を歯止めをかける狙いだ。しかしながら、二重相場が進み米ドル不足に拍車をかけそうだ。

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 これに伴い、8月9日までの参考レートは、最も直近に介入が行われた8月3日の1米ドル1,647チャット(約110円)で固定されたままとなっている。今後も、中銀が不定期に売り介入を行い、その都度、恣意的に定めた参考レートが発表されることになる。

 ミャンマーは軍政時代から管理フロート制を続けてきていたが、民政移管後に改革が進み2019年には、銀行間取引(インターバンク)や市中銀行の外貨売買価格を組み込んだ参考レート計算式を採用。市場実勢を反映したレートがようやく出されることになっていたが、今回の発表により逆戻りする。

 中銀は今回、管理フロート制への変更に合わせ、市中銀行や両替商に対して、顧客や銀行間の取引を参考レートから上下0.8%の範囲内とする規制も発表した。

 クーデター後、1月末に1,330チャット程度だったチャットは下落を続け、5月半ばには1,730チャットまで下落した。その後も1500から600チャット台後半で高止まりしてきている。

〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む

 

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