[連載] 「カンボジア、いま 2015」     (3)ドライポートとドリアン

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カンボジアの主要産業は農業・漁業・林業が中心であった。この国はインドシナ半島の中央に位置し、西にタイ、東にベトナム、北にラオスと国境を接し、南は南シナ海に接していて、近年の観光業や縫製業等による発展で、2015年(推計)のGDP伸長率は7.2%、過去10年の平均値も7%を越え、高い経済成長を続けている。外国からの直接投資も大きな伸びを示している。カンボジアには外国企業の工業誘致のための経済特別区や輸入関税処理のドライポートがある。03-01

カンボジアの経済特別区は2005年より制度が開始されたもので、オーナーとなる外国や産業機構等が資本提供し、カンボジアでのビジネス拡大のためのインフラ整備等をする工業団地のような場所である。そして、ドライポートは税関の役目を果たす。経済特別区に併設の場合もり、ドライポートはカンボジアには5~6か所ほどあるようだ。カンボジア南部のタイランド湾に面したシハヌークビルの港に入った輸入品は、プノンペン近辺のドライポートに移送される。ドライポート、聞き覚えのあるような名称だが、ポート(海の港)・エアポート(空の港)を連想すれば「陸の港」=関税拠点とわかる。カンボジアらしいのだが、日本から自動車や農・工業機械・建設資材を運び入れる時、「最初はどのドライポートに運ばれるかがわからない」と聞いて驚いた。すべての企業に当てはまるかはわからないが、私の知人の会社は毎回の輸出のたびに、どこのドライポートが到着するかがわからず、場所によってコストが大幅に異なると言って困っていた。

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シハヌークビルという港から各ドライポートまでの移送費用は発送者の負担である。彼は最初は担当役人の指示に従って、指定の各ドライポートに引取りに行っていたが、途中で「毎回決まったドライポートに移送してほしい」という依頼をしたそうだ。「少しお金がいるかもしれない」と言われ200ドル程度ならokと答えたところ、結局お金は不要(とても珍しい事らしい)で、指定箇所への移送ができるようになったそうだ。なんとなく、役人が面倒だったから手続きをしなかっただけなんじゃないかな?そして、facilitation payment(依頼をスムーズに通すための少額のお金)は日本人にはなじまない習慣なので、カンボジアの日本人はその手の話では苦労している。

03-02さて、ドライポートでの別の困りごとは、他国の港にはあるはずの設備がない事。たとえば、コンテナの中に3台の自動車が入っているとする。諸外国ではコンテナから自動車を取り出すための設備機械があるのだが、カンボジアにはない。ではどうするか。人力と人智で何とか自動車に傷をつけずに出すそうだ。非常に時間がかかることは言うまでもない。
作業を見ている間、自動車が損傷を受けないかとひやひやしどおしだったそうだ。

03-03さて、ドライポートへの道はひっきりなしにトラックが行き来している。そこには飲食店やお店ができている。南国だからフルーツもふんだんにあり、03-04もくだの屋も軒を連ねる。もちろん南国のものだ。この日はドリアンとマンゴースチンを購入。大きなドリアン1つとマンゴースチン20個ほどで20ドル。これが後日の朝食になるとは思ってはいなかった。(続く)

 

 

著:有澤和歌子(ありさわ・わかこ)

wombプロジェクト代表、idiscover設立準備中
 旅行・海外出張で50か国を訪問。近年はアジア、特にASEAN・中国を中心に活動。富士通ではマーケティング、ITベンチャーのホットリンクでは広報責任者として従事した。自身の晩婚・不妊治療・高齢出産の経験より「卵子の老化」を若者に伝えることがライフワーク。富山県出身、青山学院大学経営学部卒。

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