2016年5月25日 〔マレーシア〕
マレーシアの国営投資会社「1MDB」を巡ってまた動きがあった。スイスの金融監督当局(FINMA)は5月24日、同国の銀行BSIが1MDBとの取引で、資金洗浄防止の義務などで深刻な違反行為があったと認定した。これに合わせてシンガポールの中央銀行に相当するシンガポール金融通貨庁(MAS)は、BSIシンガポール子会社に業務停止命令を出した。
1MDBを巡っては、マレーシアのナジブ首相に7億ドル近い資金を不正に提供した疑いがあるが、ナジブ首相が関与を否定したことによりマレーシア当局による捜査は終了したことになっているが、今回のFINMAの発表により議論が再燃する可能性がでてきた。
スイスのFINMAの発表では、1MDBの名前を明記しBSIが資金洗浄に関与したとしており、BSIに対して9500万スイスフランに相当する利益の返却を命じている。またシンガポールのMASは1MDBの名前は出しておらず、資金洗浄を防ぐ規制違反や複数の職員による不正行為を根拠にBSIのシンガポール子会社の銀行免許取消を発表した。
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