2020年6月16日 〔フィリピン〕
フィリピンのマニラ地方裁判所は6月15日、ニュースサイト「ラップラー(RAPPLER)」のマリア・レッサ編集長に対し、同国の実業家を巡る記事で名誉を毀損したとして有罪判決を下した。レッサ編集長と記事を執筆した記者を有罪とし、6ヶ月から6年の禁錮刑を言い渡した。「ラップラー」はドゥテルテ政権に批判的であると言われている。
「ラップラー」は2012年、中国とビジネスを手がける実業家が人身売買や薬物密輸に関わったような記事を掲載した。それに対し実業家が2017年に告訴し、2019年にはレッサ編集長を逮捕していた。
レッサ氏は閉廷後の記者会見で「報道の自由を脅かし、民主主義を聞きにさらす」と今回の判決を批判した。
レッサ氏は米タイム誌が2018年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選んでいるが、ドゥテルテ大統領は「フェイクニュース」が多いとして同社を敵対視し、当局が名誉毀損のほか、脱税や出資法違反などの容疑でレッサ氏を逮捕している。
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〔Clisien – ASEAN Info Clips 編集部〕 ○他の記事も読む○