〔特集〕「ミャンマー大統領に「ティン・チョー」氏」
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〔これからの出来事〕
【ミャンマー大統領に「ティン・チョー」氏】
当初の予定を早めた3月10日、ミャンマーの次期大統領選出の手続きが始まった。アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が昨年11月の選挙で大勝し、上院・下院の両方で過半数の議席を獲得。そのNLDが下院で大統領候補に擁立したのがティン・チョー氏だ。
ミャンマーの大統領は、上院、下院、そして議席数の4分の1を占める軍人議員団の3つのグループからそれぞれ1人の候補者を擁立する。その後、その3名の候補者に対して、上院・下院議員全員による投票で大統領が選出される。3人の候補者のうち残る2人は副大統領となる。
下院からの候補者は他にもいるものの、下院で過半数を占めるNLDの候補者ティン・チョー氏が下院からの候補となるのは必然。その後の3人の候補者に対する投票でもNLDは上院・下院合わせても過半数の議席をもつので、ティン・チョー氏が大統領に選ばれることが3月10日、事実上決まった。
当初の予想で名前のあがっていなかったティン・チョー氏(69)は、アウン・サン・スー・チー(70)の最も従順な腹心と言われている。議員でもなく、政治的な表舞台には出たことはないが、家族はNLDとのつながりが強く、また自身も長年NLD党員となっている。
現大統領の任期は3月末。今月中に次期大統領が正式に決まることになる。NLDのティン・チョー氏の大統領指名は、今後アウン・サン・スー・チー氏の大統領就任の道が開けるまでのつなぎの可能性があるのではないかとの憶測もある。
外国籍の親族を持つスー・チー氏は憲法の規定により大統領資格がないが、NLDはその規定の効力一時停止の可能性を模索していた。
〔関連記事〕
○ASEAN各国のコト
〔ASEAN〕
〔インドネシア〕
- 富士通は3月9日、北スラウェシ州のマナド市でスマートフォンを使った河川水位測定の実証実験を始めたと発表 〈※富士通のニュースリリース〉
- 「和食さと」の店舗を展開する「サトレストランシステムズ」がインドネシアの大手コンビニチェーン「インドマレット」向けの巻きずし提供を拡大 〈※関連記事〉
- トヨタ自動車は、 西ジャワ州カラワン市の新エンジン工場でのエンジン生産を2月に開始 〈※関連記事〉
〔シンガポール〕
- シンガポールの新聞・出版最大手「シンガポール・プレス・ホールディングス(SPH)」は3月7日、移動通信・ケーブルテレビ会社「スターハブ」とデータ分析とモバイルコンテンツ配信で提携すると発表した 〈※SPHのニュースリリース〉
- タクシー配車アプリ大手の「グラブ」は3月3日、事業を手掛ける6か国で、運転手と乗客に無料で傷害保険を付けると発表した。保証額は国によって異なるが、シンガポールの場合は自己1件につき最高250万ドル〈※グラブのニュースリリース〉
〔タイ〕
- ウーバーテクノロジーズは、バンコクでバイク配車サービス「ウーバーモト」を試験的に開始した。タイ国内には9万1千台強のバイクタクシーが走っている
- KADOKAWAは3月7日、バンコクに「KADOKAWA Animation and Design School」を開校した。漫画やアニメーションなどのコンテンツ制作者を養成する。同校は、タイの最高学府であるチュラロンコーン大学の敷地内にある施設「Chamchuri Square」に設置される 〈※KADOKAWA Contents Academyのニュースリリース〉
- タイの歳入法が改正され、法人税の基本税率が3月4日付で30%から20%に引き下げられた。現在20%の軽減税率が時限措置として適用されているが、2016年1月1日以降に開始される会計年度についても適用されることとなった
- タイ空港会社(AOT)がLCCのハブ空港であるバンコク・ドンムアン空港の第2ターミナルを開業
- 「アジア ベストレストラン50 2016年版」でタイのインド料理店が1位に 〈※関連記事〉
- 大王製紙はタイで乳幼児向けウェットティッシュの生産を始める。4月から出荷予定。同社はタイで乳幼児向け紙おむつを生産しタイ及び東南アジア各国に出荷している
〔フィリピン〕
- フィリピン大統領府高官は3月5日、スーピック港に3月3日に入港し、出港禁止となった北朝鮮の貨物船を資産凍結措置を取ったと説明した。この措置は北朝鮮の核実験を受けた国連安全保障理事会決議に基づいたもの。21人の乗務員は船から降ろされ、国外退去処分となる見通し
- 5月の大統領選の有力候補者でありながら、フィリピン在住期間が不足していると選挙への出馬資格をとりあげられていたポー氏だが、最高裁判所は出馬資格ありとの判断を下した 〈※関連記事〉
- 故マルコス元大統領の長男が副大統領選挙の有力候補。批判の声も上がっているが支持者も 〈※関連記事〉
〔マレーシア〕
- 原油価格の下げ止まりを受けて、マレーシア・リンギが買い戻され、対米ドルで一時6か月半ぶりの高値を付けた
- クアラルンプール発北京行きのマレーシア航空MH370便が交信を絶って消息不明になってから2年がたった3月8日、ナジブ首相が「捜索活動は今年後半に完了する見込みで、発見にまだ望みを持っている」との声明を出した
- マレーシア中央銀行は3月9日の金融政策委員会で、政策金利を現在の3.25%で据え置くことを決定
- 国営石油大手「ペトロナス」は原油価格の下落による業績悪化を受けて、今後6ヶ月間で1000人近くの従業員を解雇する。同社は原油価格が過去最高をつけた2008年以降、増産体制をとっており2014年には従業員数が5万人を超えていた
〔ブルネイ〕
〔ベトナム〕
- 乳業最大手「ベトナム・デイリー・プロダクツ(ビナミルク)」がイラクなど中東諸国に粉ミルクを輸出する1250万ドルの契約を結んだ
- ベトナム海軍は3月8日、中部カインホア省にあるカムラン湾で国際港の開港式典を行った。カムラン湾は南シナ海に面する軍事要衝でこれまで外国軍艦船の寄港を制限していた。今回、国際港として開港されることで外国の軍艦船、民間船のいずれも使用可能となる
〔ミャンマー〕
- シンガポールのイタリア料理チェーン「パスタマニア」がミャンマー市場に進出。地元企業「ボーガ・テイディーグループ」が運営会社「コモンウェルス・キャピタル・グループ」とフランチャイズ契約を結んでヤンゴンに1号店をオープンした
- 中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」が、ヤンゴンの理工系名門「タンリン技術大学」で独自のカリキュラムを用いIT人材の育成を始めた。優秀な人材は同社のミャンマー法人での採用も視野に入れる
- 味の素が2017年、「味の素」の生産・販売を17年ぶりに開始する。軍事政権時代に原料の輸入が禁止されたため2000年から事業を停止していた
- フランスのエネルギー資源開発大手「トタルグループ」が、ミャンマー沖南東部の海上鉱区「M-5」「M-6」の2か所で新たに石油・天然ガス資源の採掘作業を開始した。トタルグループは1990年代前半からミャンマー石油ガス公社(MOGE)と合弁で近接するヤダナガス田の開発も進めている
- ミャンマー中央銀行は新たに外国銀行4行に、支店開設免許を交付すると発表。外国銀行への支店開設免許交付の決定は2014年10月に続く第2弾 〈※関連記事〉
- 3月10日、大統領候補者として国民民主連盟(NLD)はティン・チョー氏を擁立 〈※関連記事〉
〔ラオス〕
〔カンボジア〕
○日本の動き
- 日本政府は、三菱商事や日立製作所、そして岡山大学など約60の企業・団体と連携し、ミャンマーの人材育成支援のための組織を11月に設立する。ミャンマーの若者が日本の大学に留学したり企業の就職したりするのを支援する(情報源:日本経済新聞 2016年3月10日 夕刊)
- マンション管理の「日本ハウズイング」は3月9日、ベトナムの清掃会社2社を買収したと発表。ベトナム・ホーチミン市の「パングループ」の「パンパシフィックサービス」など2社の株式80%分を取得。今後3年以内に残りの20%も取得予定 〈※日本ハウズイングのニュースリリース〉
- 三井物産は3月10日、シンガポールの化学大手「ベン・メイヤー」と組み、ミャンマーで肥料事業に参画すると発表した。シンガポールに合弁会社「BMMベンチャー」を設立する。ベン・メイヤーが51%、三井物産が49%出資する 〈※三井物産のニュースリリース〉
- GMOインターネットが、サッカーJ2水戸に1月から期限付きで移籍しているベトナム代表FWのグエン・コン・フォン選手と個人スポンサー契約を結ぶ。ベトナムでインターネット事業を展開する同社が同選手の知名度を活用する。ベトナムでは今年からJ2のテレビ放送も始まる
- 3月21日
・「バンコク国際モーターショー」(タイ)(~4/3)
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